競技規則に関する追加指示(抜粋)

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競技規則に関する追加指示(抜粋)


1996年までの競技規則に掲載されていた「競技規則に関する追加指示」の中から、規則の解釈と言葉の定義が現行の競技規則に合致している項を抜粋し、以下に示した。

日本サッカー審判委員会


1.著しく不正なプレーおよび乱暴な行為

サッカーは激しい闘争的なスポーツである。ボールの奪い合いはフェアに行われなければならないが、こうした態度で奪い合いが行われる限り、かなり強く激しい物であっても、主審はそれを認めなければならない。しかしながら、著しく不正なプレーおよび乱暴な行為は厳しく禁じられており、主審はこれらに対して競技規則を厳格に適用して対処しなければならい。

著しく不正なプレーおよび乱暴な行為は次のように定義される。
(a)競技者が空いて競技者とボールを奪い合うとき、競技規則に違反し、かつ故意に暴力を用いた場合は著しく不正なプレーである。
(b)ボールを奪い合うときではなく、競技者が相手競技者に攻撃を加えることは乱暴な行為であり、ボールがインプレーの時もアウトオブプレーのときも起こる。インプレー中であれば、違反のおきた地点で直接フリーキック7、あるいはペナルティーエリア内の違反であればペナルティーキックを攻撃された競技者のチームに与えることによって罰する。アウトオブプレー中であれば、そのときの再開の方法(スローイン、フリーキックなど)によって試合を再開する。
競技者が味方競技者、主審、副審、観客などに攻撃を加えることも乱暴な行為である。これもインプレー中もアウトオブプレー中も起こる。インプレー中であれば、違反のおきた地点で直接フリーキック7、あるいはペナルティーエリア内の違反であればペナルティーキックを攻撃された競技者のチームに与えることによって罰する。アウトオブプレー中であれば、そのときの再開の方法(スローイン、フリーキックなど)によって試合を再開する。

2.タックル

(a)片足または両足で行うスライディングタックルは、主審が危険でないと判断するものは許される。しかし、タックルした競技者がボールに触れることができずに相手をトリップしたときは、主審は相手チームに直接フリーキックを与え、その競技者に警告を与える。
(b)ボールにプレーしようとする意図のほとんどあるいはまったくない、乱暴な広報からのタックルは許されず、競技者がこうしたタックルを行ったときは、直接フリーキックで罰せられ、かつ退場を命じられる。

3.ゴールキーパーに関する違反

競技者が次のような行為をすることは違反である。
(a)ボールをヘディングするようなふりをして、ゴールキーパーに飛びかかる。
(b)ボールを離すことを妨げる目的で、ゴールキーパーの直前で左右に動く。
(c)コーナーキックが行われるとき、ゴールキーパーの前に立って、キックが行われる前やインプレーになる前に、ゴールキーパーを妨げるためにその位置にいることを利用する。
(d)ゴールキーパーがボールを離そうとしているときに、そのボールを蹴ろうとする。

4.妨害

ボールをプレーイングディスタンスにおいてコントロールしている(すなわち、相手競技者にボールをプレーさせないようにする戦術的な理由で、腕を使わずにボールをカバーしてる)競技者は、相手の前進を妨げる違反を犯してはいない。
相手競技者のすぐ前を横切ったり、相手とボールとの間を走ったり、相手の前進を起こらせる目的で傷害となるように体を入れることによって相手の前進を妨げる競技者は、相手チームに間接フリーキックをえることによって罰しなければならない。
しかし、手、腕、脚祖ほのかの体の部位を接触させて、相手の前進を妨げる競技者は、直接フリーキック、あるいはその違反が自刃のペナルティーエリア内でなされた場合には、ペナルティーキックを相手チームに与えることによって罰せられる。

5.シザーズまたはバイシクルキック

こうしたキックは、相手に対して危険でないと主審が判断するものは許される。

6.相手に直接飛びかかること

ボールをヘディングするようなふりをして相手に飛びかかる競技者は、相手チームに直接フリーキックを与えることによって罰せられる。

7.体の不正な使用

手、腕、脚、胴体などを使って相手を抑えて寄せつけないことは第12条の違反であり、その競技者は相手チームに直接フリーキックを与えることによって罰せられる。
アウトオブプレーのときに、相手が走り込むのを妨げるために相手を抑えたりじゃましたりすることも違反である。(懲戒罰)。

8.ハンドリングやホールディングに対する警告

通常ハンドリングやホールディングによって警告を与えることはないが、次のような例外的な状況に対しては、主審は通常の罰則に加えて違反した競技者に反スポーツ的行為として警告を与えなければならない。
(a)競技者が、相手にボールがワタルのを防ぐために、他にプレーする方法がないので、片手または両手でボールを止めたり、パンチしたりつかんだりしたとき。
(b)相手がボールを自分のものとするのを防ぐために、相手を抑えたとき。
(c)攻撃側の競技者が、手を不正に使用して得点を挙げようとしたとき。
上記のことは、第12条退場となる違反(4)の対象となる(得点あるいは決定的な得点の機会を阻止した場合=退場)。

9.フリーキック

(a)間接フリーキックを与えたときは、主審は片腕を頭上に投げることによって示す。主審はこの腕を、ボールが蹴られて他の競技者にプレーされるか触れるか、またはアウトオブプレーになるまで上げていなければならない。
(b)どのような理由であろうと、相手チームのフリーキックを意図的に遅らせる競技者は警告を与えられ(イエローカード)、これを繰り返せば退場を命じられる(レッドカード)。
(c)最短の距離である9.15メートル(10ヤード)のところに作られた守備の壁から、ボールがけられる前に早まって飛び出してくる競技者は警告される。これを繰り返せば退場が命じられる。
規則には少なくとも9.15メートル(10ヤード)離れなければならないと規定されているが、フリーキックが素早く行われることを可能にするために、主審はこの規定を無視する裁量権を持っている。

10.オフサイドポジションにいる競技者

(a)オフサイドポジションにいること自体は違反ではない。
(b)味方の競技者がボールに触れるかプレーした瞬間にオフサイドポジションにいる競技者は、次のようなことで積極的にプレーにかかわっていると主審が判断したときに、オフサイドの罰則が適用される。
 (1)プレーに干渉する
 (2)相手側競技者に干渉する
 (3)その位置にいることによって利益を得る。
(c)次の場合はオフサイドは宣告されない。
 (1)ただ単にオフサイドポジションにいるとき。
 (2)ゴールキック、スローイン、コーナーキックのボールを直接受けたとき。
副審は競技者がただ単にオフサイドポジションにいることのみで合図してはならない。

11.違反を繰り返すこと

競技規則の違反を繰り返す競技者は警告を与えられる。

12.二つ目の警告による退場

試合中に二つ目の警告に値する違反により競技者に退場を命じる場合は、主審はまずイエローカードを示し、すぐ続けてレッドカードを示す(これによって、競技者が直ちに退場となる違反によってではなく、二つ目の警告と鳴る違反によって退場を命じられたことが明らかとなる)。

13.交代

交代によって退く競技者は、ボールがアウトオブプレーのときに、主審の許可を得た後でなければ、フィールドを離れることはできない。
交代要員は、その後にハーフウェーラインの所からのみフィールドに入ることができる。

14.競技者の負傷

役員は負傷の程度を見ること-治療のためにではない-と負傷者の搬出を手配することだけのために、主審の許可を得てフィールドに入ることが許される。

15.審判員に対する態度

主審の判定に抗議する競技者は警告を与えられる。
主審に暴行する、あるいは侮辱する競技者は退場を命じられる。
チームの主将は、自分のチームの行動について責任を持っているが、特別の権限は持っていない。

16.スローイン

タッチラインの1メートル以上外側から行うスローインは許されない。スローインをする相手競技者を妨害するために、競技者がその直前に立つことは許されない。

17.時間の浪費

次のような時間の浪費をする競技者は警告される。

競技者が
-負傷したふりをする。
-主審がやり直しを命じなければならないように、わざと違った場所からフリーキックを行う。
-スローインをする態勢をとったあと、急にそれを止めて他の競技者にスローインさせようとする。
-主審が何らかの理由で試合を停止した後に、ボールを遠くへけったり手で持ち去る。
-相手側のフリーキックのとき、守備の壁を作る時間をかせぐためにボールの前に立つ。
-スローインやフリーキックに必要以上に時間をかける。
-交代のときになかなかフィールドを離れない。

18.得点後の喜び

得点の後、得点を挙げた競技者がチームメイトと喜びを分かち合うことは認められる。しかし、相手側フィールド半分内で必要以上に時間を費やしているのを、主審は認めてはならない。また広告版を飛び越えたり、観客席のフェンスによじ登ったりすることを見過してはならない。このようなケースでは、主審はその競技者に、反スポーツ的行為として警告を与えなければならない。

19.試合中の飲水

競技者の試合中の飲水は、試合の停止中にタッチライン上においてのみ許される。水の入ったプラスチックバッグやその他の容器をフィールド内に投げ込むことは禁止されている。

(注)試合中の飲水については、日本ではタッチラインおよびゴールラインから1メートル以上離れた場所および自陣ゴールの後方に水を入れた柔らかい容器を置いておき、競技者はアウトオブプレー中にタッチラインあるいはゴールライン上で飲水するという方法で行う。

20.スタッドの検査

主審は副審と協力して、試合開始のために入場する直前に、更衣室からフィールドへ通じる通路において、競技者のスタッドの検査をする。

21.競技者の服装

(a)主審は、競技者が服装を正しくしていること、およびその服装が第4条の規定に従っているものであることを確認しなければならない。競技者は、ジャージーがショーツの中に入っていること、ストッキングが上にあげられていることに留意しなければならない。また主審は、競技者がすね当てを着用しており、危害を与える恐れのあるもの(時計や金属のブレスレットなど)を着用していないことを確認しなければならない。
(b)競技者は、サーモパンツのような外から見えるアンダーパンツを着用することができる。ただしこのパンツは、チームの着用しているショーツと同色でなければならないし、膝の最上部よりも長いもの出あってはならない。チームが単色でないショーツを着用しているときは、アンダーパンツの主たる色はショーツの主たる色と同色のものでなければならない。

以上

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