世間は広い


「イタリア語会話」を酷評してから、複数の友人からメールをもらった。


ひとつは僕のチームの友人からのもので、
「僕は三井智映子が好きだ。」
というものだった。
(「三井智恵子」ではない、と怒られてしまった。ゴメンナサイ。)

誤解されたかもしれない。
「三井智映子が嫌いだ。」
というわけではない。
今のところ好きではないが、嫌いではない。
「少なくとも『イタリア語会話』では彼女を見たくない」
というところだ。

シーラちゃんも、井川遙ちゃんも、浅川稚広ちゃんも、阿部美穂子ちゃんも好きだ。


もうひとつのメールは、僕のスペイン語のサークルの友人からのもので、
「コバの態度はヤバいっしょ。」

というものだった。COBAは、好きではない。今では最初のほうの放送を見たときに強く思ったほどではないけれども、イタリア語会話以外のところでも、見ないで済むなら、僕は見たくない。


ところで、NHKスペイン語会話の話題から彼とメールするようになったのだが、彼からのメールはいつもすごい。
(本人転載承認済)

まず、
「僕もずっと前からNHKの語学番組全部見てます。」
とはじまって、

「前は、ロシア語とハングルが詰まらなかったのですが、去年辺りから面白くなって来ました。」
と、続いてきた。

「スペイン語会話でAlbertoが歌うのを久しぶりに聴いた。」
と書くと、
「やはり芸能人が出ている番組は強いですね。去年は中国語のはなちゃん、おととしはイタリア語の山口もえがうりものでした。今年はフランス語の井川遥がウリだそうです。ほかにイタリア語はアコーデオンのコバ、ドイツ語に小米朝が出てますね。」

と返って来た。このへんで、なんだかタダモノではない、という印象を持った。


「この間のアフロペルーダンスを見て感動した」
とメールに書くと、
「Oswald さんのあの踊る時の躍動感と、インタビュー時に海岸の高地で語る静かな表情のギャップもいいです。」

と返って来た。すごいところを見ている。言われてみるまで、僕の意識の外にあったことだった。


「『アミーゴス・DE・ペルー』の前回の主人公だった香辛料屋のおばちゃんもよかった」
と書くと、
「ええ、Lili Huamani さんは、ご自分の離婚経験とかちょっと涙ぐんでお話してたのが記憶に残ってます。あと、くりそなやんちゃ坊主を可愛がっているところとか。ほんとの生活が見えて、このシリーズはほんとに好きでした。」


「イタリア語は見なくなりました。」
と書くと、
「歴代のおねえさんたちは、皆それぞれ個性的で好きでした。もえちゃんもよかったし、かおりさんも良かったなぁ・・・去年のななこさんは、実生活ではちやほやされているのかな、というのが伺えました。」


「ロシア語は、終始一貫して暗いイメージが好きだ」
と書くと、

「あ〜、栃木弁の亀山センセは、落ち着いた感じでいいのですが、ちょっと重いというか、冬の感じというか、でした。真面目過ぎちゃうんですね。見ていて詰まらなかったし、分からなかったです。去年の島尾まほの登場から変わったと思います。
あのギターを弾いて唄ってくれるタス通信の長髪の髯のおじさんは、個性的でいいのですが、発音が不明瞭で小さな声で、ちょっといつもいらいらさせられて、精神衛生に悪いので見ないようにしています。もっと明瞭ではっきりと大きな声で発音してくれるといいのですが。本編の若いネイティブの2人に唄って欲しいです。青年の方はきれいで明瞭な歌声で、この人に唄って欲しいと感じました。
しかし、あのスキットは独特の色合いというかノリというか、大映テレビのような画面の肌触りというか、ちょっと違和感を感じるものでした。スキットが共感できないので、全然頭に入りませんでした。
ロシア語が人気ないのの原因もこのあたりもありそうな気がします。」


他にも彼は、スペイン語サークルのMLで、アフロペルーダンサーの Oswaldo Campos さん(アルベルト、ではなかった。ゴメンナサイ)のセリフを長く引用してきて、La mu'sica afroperuana の魅力を存分に語っていた。

とにかく、こんな調子なのである。
「アミーゴス・DE・ペルー」の素材が使われるのがはじめてではない、という知識も彼からもらった。
見ているもへの集中が違う。すごい人がいるものだ。僕にはとてもマネできない。
意気込みが違いすぎる。


しかも、彼は朝見ているのではない。
毎日仕事が終わって、家に帰ってくると、
「ホッとしたところではじまる。」
と言っているのである。彼の仕事はデザインらしい。

仕事が終わった後、毎日毎日、人間そんなに脳みそを使えるものではない。
夜中に毎日スペイン語会話をやっていたって、きっと僕は見逃すことがあると思う。
でも、彼のメールの印象では、とてもそんな感じはなかった。
彼は、僕とはまるで違うなにかだ。
入院していて時間に余裕がある僕なんかとは、モチベーションがまるで違う。

僕なんか、所詮入院してからのにわかNHK教育テレビ語学番組ファンなのだ。しかも、だというのに、もう月曜、火曜では脱落している。
それが、彼ときたら、キャリアも格段に長く、経験と知識に満ち溢れ、かなり少なめに言っても、あるところではきっと僕なんかよりよほどしっかり番組を見ている。


こんな人が身近にいるとは知らなかった。世間は広い。
またすごい人を見つけてしまった。

01/05/26


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