箱庭世界 その1


小学校の低学年のとき。 近くの池でだったか、どこだったか。
父親と一緒にオタマジャクシを取りにいったことがあった。

オタマジャクシは目の細かい網で池の淵で簡単にたくさん捕まえることができて、バケツに入れて持って帰った。
ベランダにあった、割と深さのある透明な植木鉢の受け皿に彼らを放って、しばらく飼っていた。
透明な容器の底が黒く見えるぐらいの量だった。
削り節なんかをあげて、オタマジャクシは順調に育っていった。

彼らに後ろ足が生えてきた頃のある日。
僕は、ベランダでシャボン玉遊びをひとりでしていた。
そのときに、毎日様子を見ていたその透明な容器に目がとまった。

(そうだ。オタマジャクシの水を足してあげよう)

そう思って、何も考えずに僕はあまったシャボン玉の水を全部その容器に流し込んだ。

彼らがみな死んでしまったということに気がついたのは、だいぶ経ってからだった。

01/07/14


ヤブクランケにメールする
「ぱさど」トップへ
こねこねのさいとトップへ