That's a tall order.


「やさしいビジネス英語」新シリーズである「大滝怜治シリーズ」は、怜治の職場にかかってくるヘッドハンターからの電話で幕をあける。

そのときの会話:
「これこれこんな感じの人を探してるんだけど、いないかしら?」
「そんなヤツなかなかいないよ。でも、僕は興味あるね。」
「実は、あなたのことがまっさきに頭に浮かんだから電話したのよ。」
「わかった。レジュメを持っていくよ。それにしても、びっくりだなあ。」

このパターン、宮川輝行シリーズの始まりとまったく同じ。"That's a tall order." なんてセリフもまったく同じ。
さきに「NHKやさしいビジネス英語ベストセレクション」で宮川輝行シリーズのビニェットを聞いていた僕は、はじめて聴いたとき、思わず笑っちゃいました。
しかも、行き先は、前荒木裕美シリーズと同じ、 Galaxy Group 。
異邦人の女性に誘われ、未知なる Galaxy に旅立っていく彼らを、「銀河鉄道999の星野哲郎のようだ」と感じてしまったのは、僕だけでしょうか?


このとき、電話をかけてきたのは Angela Nash さん。Harper & Hay というヘッドハンティング会社の人だと名のっています。

Harper といえば。
宮川輝行に電話をかけてきたのは、 Harper & Associates の Laurie Harper さんでした。初回放送は91年のことです。
Laurie Haeper さんは、バブル崩壊後の日本でも着実に信頼を積み上げ、2003年までに社名を変え、 Angela Nash さんを雇っていたということでしょうか?ちょっと興味深いです。


ちなみに、他の主人公たちのときは、スタートはどうだったのかというと。

荒木裕美:
荒木裕美初年度のテキストはまだ見たことがないのですが、ビニェットだけなら聴いたことがあります。
11年間広告会社に勤めてきた彼は、仕事に行き詰まりを感じており、そんなときに M&B の求人を知り、応募します。
荒木裕美シリーズ最初のビニェットは、面接のシーンから。荒木さんに対して、M&B側からは男性、女性の2人が臨んでいます。
「どんな経験をもっているんだ?」「この会社に入ったら、5年後までに何をしていたい?」「あなたの欠点は?」「仕事と家族とどっちがどうだ?」と矢継ぎ早に質問され、強気な答えをくり返す荒木裕美。
結局、その週の木曜日のビニェットで面接は終わり、金曜日の短いダイアログで「あいつはちょっと pushy だな。」という男性、「経験もあるし、あんなもんでいいんじゃない?」「うーん、他に有力な候補もいないしなあ。」という会話があり、採用になっています。他の主人公たちが "Welcome! Welcome!" と諸手を挙げて歓迎されていたのとは大きな違いです。

「M&B社全体で行っている Top Team Awards を受け取った人が日本にはまだいない」というのが当時(1996年)の日本のM&Bのコンプレックスだったらしく、カリフォルニアのワイン(葡萄だったかな?)のプロモーションで賞を取り、ちょっと知られた存在になった(と、荒木裕美自身が主張し、『ホラ、レジュメにも書いたでしょ』と言っている)点が決定打になったような気がします。
「実力に見合うフェアな給料が欲しい」と言っていた彼は、ネルソンABCフーズを担当することになります。
ご存知、沢崎昭一さんの会社です。

ちなみに、Biglobeで一時期ちょっとだけ「やさしいビジネス英語」がコンテンツとなっていた時期がありまして。それのサンプルが無料で聞けた時期があり、そのときには、荒木裕美の面接のシーンを聴くことができました。
でも、そこでの荒木裕美の雰囲気はラジオ放送のものとは違い、なんだか気が弱そう。吹き込みもポール・ルーカスさんで、放送当時の自身満々という雰囲気の押せ押せ面接ではなく、「僕はもっとchallenging な仕事がしたいのです...。」と、蚊の鳴くような声でした。どちらかというと、むしろ、追い詰められて助けを求めているような感じ。大違いです。
あれでは採用は難しいだろうなぁ。

実際、M&Bの面接での荒木裕美の pushy な態度は、テレビ番組にも出演し、主婦のみなさんから好評を博していたイケメン栄養士、低血圧の大滝さん(注:彼は Night Owl)にはちょっとできなそうなものでした。
その点、荒木裕美って、ずんぐりむっくりしてて、やや血圧高そうですよね。夜寝るときにはその日にあったこととか、すっかり忘れてそう。
この二人、声は似ているのだけど。


沢崎昭一:
1987年度の初回放送は、いきなり、ABCフーズでの面接のシーンからはじまる。求人に応募してきたという状況のようです。
面接のシーンは、まず、梅村さんという人が落ちるところから。
梅村さん、面接の頭で "Ah, Mr. Umemura. How do you do?" と聞かれて、"Hello." と答えるところからはじまって、いまいち話がかみ合わず落とされています。
NHKビジネス英語を学ぼう基礎編そのカセット」の最初に収録されている「First day at work」は、2週目のビニェット。

その一方。
NHK語学COMIC やさしいビジネス英語」という、1989年初版、杉田敏原作、石ノ森章太郎監修、石森プロダクション制作のマンガには、沢崎昭一の別のストーリーが紹介されています。
(ちなみに、このマンガ、ぜんぜん面白くありません。まったく面白くありません。誰が買うんだ?こんなもの...?僕は、ネタにする必要性があったので買いましたが。)

こちらでは、沢崎がCMMDという人材斡旋会社の Betty White というヘッドハンターから電話を受けるところから話がはじまっています。
しかも、沢崎さんは、電話の要件が飲み込めた時点から、もうノリノリ。
あまりの落差にびっくりです。どういうことなんだろう。

ていうか、そんなことでいいのか。


今日の Graffitti 。

"That's a tall order."
(それは通る注文ですね。)


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