へめろす

「ああ、奥さん、どうもこんにちは。お待ちしておりました。」
「お久しぶりです先生。どうしたのですか?急に呼び出したりして。」
「こんにちは。お待ちしておりました。」
「ああ、婦長さんもこんにちは。その節は、大変お世話になりました。」
「はい...。」
「で、ご用件は、何でしょう?」
「ええ、実は、ですね...。大変申し上げにくいのですが...。」
「はい。」
「実は...。」
「はい...。」
「その、ですね...。」
「はい...。」
「...。」
「...。」
「...?」
「実は...。」
「はい。」
「...。」
「...。」
「...?」
「も、申し訳ありません。お子さんが生まれたとき、取り違えをしてしまいました。」
「ええっ!!」
「申し訳ありません。」
「申し訳ありません。」
「そ、それでは...。」
「はい。」
「これまで大事に育ててきた、ウチの双子ちゃんたちは...。」
「...。」
「...。」
「私たちの本当の子供ではないのですか?!」
「あ、いえ。そうではなくて。」
「...?」
「どちらが先に生まれたか勘違いしてまして。よくよく考えたら、お兄ちゃんが弟さん、弟さんがお兄ちゃんでした。」


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