箱庭世界 その2
小学校の高学年のとき。僕は2匹のハラビロカマキリを飼っていた。
中型でちょっとずんぐりしていて、割と僕好みだった。
おおきな緑色の野菜かごを上下にして専用の籠をつくって、中に近くの公園に生えている植物なんかをいろいろ入れたりして、玄関の前に置いておいた。
そんなある日、近所でオオカマキリを捕まえた。
彼女はおなかがペチャンコになっていて、ひどく空腹な様子で苛立っていた。
捕まえるときに予想外の抵抗をされたが、とにかく捕まえて、僕はとりあえずハラビロカマキリのおおきな籠に捕まえたばかりのオオカマキリをとりあえず入れた。
すぐにどっか花の咲いているところにでも行って、イチモンジセセリでも捕まえて来て食べさせようと思った。
それで、2,3匹のイチモンジセセリを捕まえて戻ってきたら、2匹のハラビロカマキリは両方とも絶命していた。
1匹はオオカマキリに食べられているところで、もう1匹は食べかけで捨てられていた。
当時僕が住んでいたあたりには、本来カマキリはハラビロカマキリとコカマキリしかいなかったのだ。
そのオオカマキリには見覚えがあった。
僕が他の地域で捕まえてきて、気が変わって家の近くで逃がしたカマキリだった。
01/07/14
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