はっきり目が覚めたのは起床時間のアナウンスでだった。
そのちょっと前にいちおう目は覚ましていたが、それより前の記憶は前の晩のものだった。

すぐに看護婦さんが検温に来た。そのついでに、今日は僕の右のみみたぶに針を刺していった。
ステロイドの副作用のひとつに糖尿病がある。それの兆候を追いかける検査だ、ということだった。
要するにそういう兆候がまるでないわけではない、という昨日の先生の話だった。

「針を刺すとき、痛いですよ。チクっとしますよ。」
という看護婦さんの話だったが、やってみると痛くはなかった。
ただ、血はなかなか止まらなかった。

全体としてはちょっとした作業だった。
すべてを終えて看護婦さんがいなくなったとき時計はもう6:40を過ぎていて、僕は「中国語会話」の教授の文字当てクイズを見そこなった。

01/07/20


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