親善試合 韓国-日本

親善試合 韓国-日本


R;ケネディーさん(SIN)
長身で手足も長いという利点を活かし、前半はよくやっていた。
笛の吹き方については、長い笛、短い笛、近づいてからしっかり笛、と状況により巧みに使い分けられていた。
ただし、それは前半だけの話。後半になると途中から急激に運動量が落ちてゴール前に登場することもほとんどなく、また、判定にも疑問を感じるシーンがままあった。1試合を通じての体力、集中力、という点ではもうひとつであった。横への動きはよいのだが、もっと縦への動きを多くし、向こう側タッチライン付近にまで積極的に登場してくるようような姿勢を見せて欲しい。
動作が多いのはそれはそれでよいのだが、意味不明なものもあり、また、多少やりすぎだと感じられる部分もまま見られた。
また、競技者にむやみに触れるシーンが多かったことも気になった。

A1;ハルフィーさん(SIN)
前半よく画面に登場していた。しっかりできていた。好印象。

A2;コウユンさん(SIN)
しっかりできていた。好印象。

4th;韓国
競技者の服装についてRを援助する機会を逃した。


試合開始前:
コイントス
コイントスでは、コイントスに勝ったほうのチームが前半に攻めるゴールを選ぶ。負けたチームのキックオフで試合が始まる。(第8条)
主審は弾いたコインを手で覆うとき、左手のひらに落ちるコインを右手のひらで抑えた。
左手甲に落とすほうが、多少やりにくいが、イカサマくさくない(とは言っても、気にする人はそういないか)。
コイントスの後のタイミングだったと思うが、両チームキャプテンの腰に同時に手を当てるシーンがあった。
僕は、審判が競技者にむやみに触るのは好きではないし、競技者として審判に触られるのも好きではない。
競技者がゲンを担いでいて触られたがらないとかいうことも考えられるし、たとえば倒れている競技者を起こそうとして失敗したとかで万が一何かあったりして競技者が騒ぎ出したら面倒だ。

黙祷
試合前のセレモニーの有無、そのタイミングについては、事前に審判団に説明がある。
詳しくは、コンフェデレーションズカップ日本-フランスを参照。
数十秒の短い黙祷であった。(ふつうは1分やりそうなものだが)
韓国代表のコエーリョ氏は、時計をもうまわしはじめてしまって、それから気がついたようだった。

前半キックオフ:
笛を吹く直前にA1に確認を取っていたのが見えた。
おそらくその前にA2、さらにその前には両ゴールキーパーに試合開始の準備ができているか確認をとったはず。ゴールキーパーのあと、あるいはそのもっと前にも4thにも確認を取っているかもしれない。
A2→A1という順番にしたのは、キックオフが正面から見て右から左へのキックオフであったため、主審のポジションがセンターサークル右手前からだったことと関係があるのだろうか?
ちなみに僕は、キックオフをしない側のGK→キックオフするチームのGK→A2→A1という順序を採っていた。

前半1分:
日本にオフサイドの違反。
A2はすぐに旗を揚げ、その場で静止。中央からやや自分のほうに向かってきたRの動きに合わせてタイミングをとり、オフサイドの位置を示した。
よい動き出しという印象を持った。
基本的なことだが、オフサイドの違反があった位置で副審は静止し、旗を揚げる。

2分:
センターサークルよりやや日本側でヘディングのときに主審は笛。
相手にとびかかる反則を採った。

2分:
日本側深く入ったところ、向こう側でスローインになる:
主審はこのとき、ペナルティーエリアの入りの角の部分に来ていて、そこで笛。手で合図をした。

3分:
A2はスローインの合図のため、左手に持った旗を横に揚げる。
真横よりやや上向きに揚げると見栄えがよい。

3分:
こんどはA1が左手に持った旗をスローインの合図のために揚げた。
これはかなり角度が上を向いていた。もうちょい下でもよいだろうと思った。

5分:
中山が倒される。
後ろから押されたような印象を持ったが、主審からは何もなかった。

5分:
A2の動き。ラインに沿って後ろ走りするシーンが見られる。
ボールとそのまわりを見ながらの移動。いろんな動きを組み合わせると疲れにくいので、そういう意味でもこういう動きは面白い。

5分:
センターサークルやや日本側で日本がボールをまわす。そこで韓国側に反則があり、Rは2,3回の笛を吹いた。Rの位置はボールのすぐそば。

6分:
中田に警告。
いったんかわされた相手に後ろからアタックにかかった。反スポーツ的行為。当然。

7分:
韓国が大きく蹴ったボールはそのまま手前側タッチを割る。
Rはセンターサークル付近にいたがまず走り出し、適当な距離感になったところで手ではっきりと合図、そしてまた走ってさらにボールに近づいた。
Rはプレイが止まる、あるいは止まりそうになったときにそのプレイの近くにいなかったとき、すぐその場で笛を吹くとかえって自分が遠くにいたことを競技者に意識させてしまうので、多少近くに来てから笛を吹いたほうがよい場合が多い。その場合は笛を長めに吹くと威厳を感じさせて効果的である。

7分:
今度は日本競技者がヘディングしたボールが手前側タッチを割る。
ここでは主審は手を低く出してスローインの合図。近くにいたので大きく動作する必要はないと感じたのであろう。直前のプレイでの動きとよい対照である。意識して使い分けていたのであろう。

7分:

韓国競技者が日本側ペナルティエリア付近で攻撃、向こう側から切り込んでシュート。
Rはこのとき、エリアの角から7yd程度後ろの位置から中央に向かってのウォーク。ゴールには進出してこなかったが、枠からはずれたのが位置的に分かったからなのだろう。

9分:
日本、相手陣で攻撃。エリア右から進出した競技者がセンタリング。クリアされる。
Rの位置はエリア右から10ydほど手前。ゴール前でいくつか細かいプレイもあったところだったので、もうちょっとそばにいて欲しいと思った。

9分:
ゴールラインをボールが割る。
A2はよくボールについていき、ラインを割ると同時に旗で合図。よく動けていた。

9分:
日本コーナーキック。
Rの位置はエリアの正面よりやや左。
よくあるポジショニング。コーナーキックのボールはそのままキーパーがパンチング。これは弱かったが左側へ流れ、Rはそれにあわせて左側に移動していった。

10分:
韓国競技者がスライディング。ちょっと遅れてRは笛を吹いた。
タックルのときに韓国競技者が足の裏を見せていた。Rはそれでも日本側競技者がボールを維持する可能性があるとみて、アドバンテージを採る選択肢を残しつつしばらく判断を保留した。
(第5条)  
主審の権威の「権限と任務」
主審は、違反をされたチームがアドバンテージによって利益を受けそうなときは、プレーを続けさせる。しかし、予期したアドバンテージがそのときに実現しなかった場合は、そのもととなった違反を罰する。


13分:
オブストラクションの反則かとも思ったが、オブストラクションは間接フリーキックで罰せられるので、主審が手を上げなかったところからすると、ホールディングであろう。

14分:
中山が抜け出してシュートするも、オフサイドの違反。
Rの位置はエリア手前数yd。よい位置。ここでもA2の合図は早い。

16分:
山下が違反。ここでもRはセンターサークル付近にいたが、長い笛を吹いてからいっきに走って近づいた。

17分:
小笠原が右タッチライン付近で複数の韓国競技者とボールを奪い合う。
Rは笛を細かく吹いた。韓国の反則。いい笛の吹き方であった。

18分:
手前タッチライン、正面から見て左側で両チーム競技者がボールを奪い合い、タッチへ。A1はすぐに韓国ボールと合図。
A1からは角度的にも位置的にも判断しようのない位置だったのに、非常に早い合図でびっくりした。Rがすぐ合図をし、それにあわせてA1が合図したのだろうと思う。

19分:
A1がラインにそってあがっていくのが見える。このとき、旗は右手に持っている。
フィールド側の手でつねに旗を持っていたほうが、何かの必要があり旗を揚げることになったときに揚げる途中の段階からRの目にとまりやすくてよい。

21分:
R、手のひらを下にした左手を下げる動作。
このあとの彼の動きもかんがみるに、倒れた競技者がいたときに「反則はなかったプレイを継続する」と宣言する合図のようだ。

21分:
R、センターサークル付近で、「前ならえ」のような動作。
アドバンテージの意味だろうが、国際的でない。

22分:
中田浩二がプッシングの反則を取られる。
Rは何か言いに行く。すでに1枚出ている相手なのでいちおう何か言いに行ったのだろうが、必要ない気もした。

25分:
Rはボールのすぐ後ろをついていき、両手を下げるしぐさ。
韓国がそのまま左側からセンタリングをあげる。Rはそこまでよくついていった。

24分(だったと思う):
韓国が左から中へ放り込む。混戦の後韓国側競技者が服部をかわしてゴール前で楢崎と1対1。シュートは惜しくもポストへ。
Rはセンタリングの時点では遅れた位置にいたが、シュートの時点ではプレイのあったのとは反対側、エリア入りの位置から数ydの位置に来ていた。

26分:
R、右手で立てと合図。

28分:
右手を下げる合図。
意図がちょっとわからなかった。

31分:
福西ひっかけられる。Rは戻る福西の尻をたたく。
どうかと思う。

36分:
ここでもRは中山に触っている(どういう事情だったかは忘れた)

39分:
コーナーキック。Rはエリアの角でコーナーアークを指してコーナーキックでの再開を指示。

41分:
ユサンチョルのユニフォームが破れる。
(第4条)競技者の用具
安全
競技者は、自分自身あるいは他の競技者に危険となるような用具やその他のものを身につけてはならない(宝石類を含む)。
競技者が身につけなければならない基本的な用具:
・ジャージまたはシャツ


ユニフォームが破れているという状態が危険かどうかが重要な焦点となる。
たとえば、一般的に、シャツの裾が出ているぐらいでも用具が適切に身につけていられないと指摘されるのが常である。
なので僕としては、破れたユニフォームを着ているというのは用具を正しく身につけている状態とはいえないと考える。
競技者自身に危険だとも思うし、他の競技者が手を巻き込まれてしまう等の可能性も考えられ、危険だと思う。
というわけで、

違反と罰則
本条の違反に対して:
・主審は、違反をした競技者に、フィールドから離れて用具をただすように指示する
・次のアウトオブプレーになった時に、用具が正しくなっていなければその競技者をフィールドから離れさせる

これが適用されるべきだと考える。なので、主審はこの競技者を次のアウトオブプレーのときにフィールドの外に出さなければならなかった
予備のユニフォームを使うなり、あまってるユニフォームの別の背番号をはがすなりできたはずだ。
実際できたし、できなかったら再びフィールドに入れなくても仕方が無い。
また、ここで4thオフィシャルは、Rに競技者の服装が乱れていることについて指摘するという形でRを援助するべきであった
韓国側競技者が試合中にフィールドの外に出ることを嫌ったのだろうか。
(確認するが、この試合はR、A1、A2シンガポール人のセットだったが、4thは韓国人)
親善試合では主催国からでるのは極めて普通のことだが、もしそうであったのならば、審判が片方のチームを援助した形になる。
元公認審判員として、僕はこの対応を遺憾に感じた。

43分:
金田氏「ユニフォームを変えてもよいと思いますよ。」
というわけで、変えても良いではなく、変えなければならなかった
その後、ユサンチョルが着替えを拒否したらしいという実況が流れた。
もちろん、ユサンチョルとしては、主審に「出て着替えろ」と言わない限り、別にどうでもよい。
ミスは主にRおよび4thのもので、ユサンチョルのミスではない。

45分:
ハーフタイム。ボールは主審の手に戻った。
マルチボールシステムであっても、必ずそうするものである。

後半4分:
アレックスが交錯して倒れる。
Rは立つように合図。

7分:
日本ファールスローを取られる。
どういう事情だったのかちょっと分からない。

8分:
韓国ミドルシュート。
Rはそれよりさらに後ろにいて、シュートに対してゴールに近づこうとしていない。
このあたりから動きの少なさが気になるようになってきた。

9分:
福西倒される。
ここでもRは福西に近寄ってかまい、倒れているところをひっぱたりしている。
倒れた競技者には声はかけてもさわらないのが無難だと思う。

11分:
韓国エリア内でアレックスがハンドの反則。
ここでもRは登場してこない。

17分:
福西が絡んだプレイ。倒されたのかな?
ここでもRは遅れ気味であった。韓国の反則ではないかという印象を持ったが、主審からは何もなかった。
(このあたりから、主審の判定にいろいろ疑問を持つようになった)

18分:
中山がエリア内でシュートを打つも、クロスバーを大きく越える。
ここでRはエリア右角から5-10ydほど手前。ちょっと遠い印象であった。

19分:
アレックスと韓国側競技者が左側コーナー付近でボールを争い、ゴールラインを割る。
ここではRの位置はエリアの角。よかった。

21分:
韓国、右からのコーナーキック。
ここではRの位置はペナルティーアークとエリアの交点、右側。
右側のポジショニングは珍しい。通常は、どちら側からのコーナーキックでも副審とはさんでボールを見れる左側に位置することが多い。

21分:
福西ボールを奪われる。
後ろからのタックルであり、韓国側の反則を取るのが普通だという印象を持った。

24分:
エリア内に飛び込んだ奥が韓国競技者に押されて倒される。
ジーコ怒る「3度目だ。」
テレビで見るかぎり、押されているように見えた。PKでも不思議はなかったであろう。

26分:
秋田が韓国競技者と競り合いヘディングで勝つが、反則を取られる。
ポジションもよかったし、競り勝っていた。疑問。

28分:
両チーム競技者が向こう側タッチライン韓国側で交錯。主審は「立て」と合図。

31分:
アンジョンファンのドリブルからの攻撃、Rは後ろを歩くだけ。
遅れている。

33分:
中央でボールを持った小笠原からスルーが右へ出るが、Rは小笠原の後ろにいるばかり。
遅れている。

36分:
韓国一連の攻撃。右から入ってくるボールに、Rは中央付近、エリアから10yd以上離れたところで止まっている。
遅れている。

38分:
ここでもRは遅れている。エリアから18ydぐらいの位置であった。

41分:
アンジョンファン、服部かな?と交錯、エリア内で倒れる。PKかとも思わされたが、おとがめなし。
PKという印象だったが、なんともいえない。アンジョンファンが倒れたことをシュミレーションと見るかどうかは難しい。
基本的には、守備側競技者がボールに触れていて、かつ、「不用意に、故意に、過剰な力で」のプレイでなければ反則ではないし、主審を欺く意図で攻撃側競技者が倒れたのなら、それはシミュレーションを取られてしまってもしょうがない。
ビデオの角度からは僕には判然としなかったので、コメントは差し控えたい。

46分:
チェソンヨンの手に指輪が見える。

46分:
日本得点。
A1はゴールのあと、旗でセンターサークル方向を指しながらタッチラインに沿ってセンターサークル方向へ走る。
得点の基本的な合図。主審はゴールにボールが入ったことを確認したあと、副審にそれまでに反則がなかったどうか確認し、それから得点の合図をする。
得点のとき、Rの位置はエリアから数yd離れたところ、中央。ここではよかった。


アナウンサー・解説

前半14分の中山の幻のゴール:
金田氏「こういう幻のゴールでも、とりあえず形ができたことで安心するものですよね?福田さん」
福田氏「ええ。そう思います。」
福田氏に発言を譲った金田氏の余裕を感じた。

前半19分:
集音マイクに日本側競技者が蹴ったボールが直撃。
「ゴツ」と音がする。

前半28分:
アンジョンファンのフリーキック、129kmとのこと。速い。
シュートの速度が表示されるという趣向は面白い。数年前のセリエAでジュゼッッペ・シニョーリやロベルト・カルロスのシュートが表示されていたが、あれは何kmぐらいだっただろう。ちょっと記憶にない。ざんねんだ。

後半6分:
金田氏「中盤がディフェンスラインに吸収されてしまうと、こぼれたボールが拾えなくなり苦しくなる。」
適切な指摘であった。

後半28分:
アナウンサー「この試合では5名+GK1名交代できます。」
競技規則に関する注解
公式競技会
FIFA、各大陸連盟、各国協会が行う公式競技会の試合で、いかなる試合でも最大3人までの交代を行うことができる。
競技会規定の中には、3人から最大7人までの範囲で、登録できる交代要員の数を明記しなければならない。
その他の試合
その他の試合では、次の条件で、交代を行うことができる:
・関係するチームが最大数について合意している
・試合前に主審に通知されている

試合開始前に主審に通知されなかったり、合意しなかった場合は、3人までの交代しか認められない。

その他:

楢崎の黄色のウェアが汗べっとりになっていて、黄色が黒っぽくくすんでいた。

テレビ映像に関しては、ゴール前のシーン以外でもリプレイをもうちょっと入れて欲しかった。
あと、前半と後半の間にニュースが入って、「ニュースのあとはハイライトシーンです」と言う割には、小笠原のループシュートのリプレイとポストにあたった韓国のシュートだけで、何分の誰のプレイだというコメントすらなしというのはいかがなものかと思った。

03/04/16


主審にメールする
「審判手帳」トップへ
こねこねのさいとトップへ