コンフェデレーションズカップ フランスー日本

コンフェデレーションズカップ フランスー日本


R; シールドさん(AUS)
一流の国際主審。技術、体力ともにすばらしかった
基本的にボールの側で判定し、ゼスチャーも適切なタイミング、正確かつ適切なものであった。
特に感心したのは、試合中細かく位置取りを変えながら常にプレイが見える位置、次のプレイに遅れない位置につこうという姿勢
ポジション取りについて特によいと感じたのは、攻守の切り替えに非常に敏感だったこと。
この試合ではフランスのみならず日本もそこそこ速攻、ボールを持ちつづけての攻撃ができていたが、どちらの攻撃になっても、次のプレイに遅れない位置にすばやく移動して対応していた。
競技者の技術、競技者の意図、全体の流れといったものへの正確な認識とそれを生かせる体力がないと、なかなかここまでできるものではない。
それから、彼はプレイ中に足が止まっていることがない。常により適切な位置に、あるときはジョグ、あるときはウォークを維持して移動している。
彼のポジション取りのよさのもうひとつの大きな要因は、この細かい移動の積み重ねである。
上を目指す人には是非とも参考にして何度も何度もくり返し観てほしい。なかなかよい見本です。
あえて難をあげるとすれば、攻撃側から見て左奥、コーナーポスト方向にボールがいったときにときおりポジションが遠いと感じられるシーンがあったところか。しかし、フランスも日本もこの試合はボール、人の動きが速かったし止むを得ないだろうと思う。
それから、ボールが動いているときはよかったのだが、セットプレイの時の位置取りが少々おかしい気がしないでもない。
(僕がそう感じるだけかもしれないが)
あと、なんか後頭部につけていたな。あれはなんだったのだろう?気になった。
前回日本−ニュージーランド線の4thの人とよく似ていた。おそらく同一人物だろう。

A1; ウリアリスさん(AUS)
A2ほどはよく登場してこなかったが、テレビに映る場面のいずれにおいても要所をしめた活躍をしていた。
これもよい見本

A2; エピュボウスキーさん(POL)
副審としての威厳を感じさせる動作、物腰で大変好印象。もちろん技術も申し分ない。
すばらしい見本

4th; モラディさん(IRN)
特別活躍する場面はなかった。採点ナシ。


何故かR、A1が同一協会所属という不思議なとりあわせ。
まあ、この2人が同一協会であるというより、やはり「セット」ではないというべきであろう。

前回日本−ニュージーランド戦の副審があまりにもあまりにもお粗末だったこともあって、今回、この重要な試合のきちんとした審判団が(本来当然のレベルなのだが)かえって新鮮に感じられた。


前半0分:
センターサークルそばやや日本側でフランスが反則。
この試合最初の笛。Rの位置はセンターサークル内。「ピピピピ」と多少注意を促すようなニュアンスで笛を吹いた後、日本の攻撃で再開することを示すべく右手でフランス陣を差した。

2分:
日本、この試合最初のゴールキック。
Rの位置はセンターサークル日本側手前。フランス側から見てゴール右からのゴールキックに対して、Rはほぼそこからそのまま高いところに位置している。
ゴールキックでのこの審判の位置取りはいろいろあって興味深かった。ただ、都度のポジショニングにどういうニュアンスの違いがあったのかまでは正直分からない。

3分:
フランスのゴールキックでプレイ再開。バルデスは小さく横にボールを出した。
このシーン、Rはフランスペナルティーエリア手前の位置でプレイを見ている。画面に映るほどの位置まで来ている。よく来ているなという印象を持った。

4分:
フランス、正面右から攻撃。長めのパスが出るが対処しきれずゴールラインを割る。
このシーン、Rは積極的にゴールライン方向に走っていき、エリアまで来てラインを越えた合図をしている。よく走ってきたという印象だった。

5分:
日本、波状攻撃をするも、最後はやや後ろでボールを持った稲本が出したパスがカットされる。稲本はボールを奪われたあと、ボールを奪った競技者を背後から掴みにかかる。結局反則をとられる。
このシーン、形的には警告がでてもおかしくはないところ。Rは日本がくり返し攻撃していたとき日本から見てやや左側の位置でプレイを見ており、稲本の一連のプレイはちょうど彼の背中を10ydぐらいの位置から見れるところにいた。結局警告はでなかったが。
ここでのRはまず先に長い笛を吹いたあと、近寄り、ゼスチャーをした。

6分:
宮本、自陣左タッチライン付近でフランス競技者とボールを奪い合う。宮本がボールにさわり、タッチを越えたほぼ瞬間にA2が旗で合図。Rはそれを受けて笛を吹いた。フランスのフリーキックで再開。
Rから見てボールが競技者の影になり見えにくくなるシーン。A2の合図は適切だった。
5分のシーンとも多少関連するのでついでに説明するが、Rのポジション取りには
・ボールの側で判定する
・副審と協力して判定する
という両者を同時に満たす、「対角線審判法」と呼ばれる基本的な法則がある。
「対角線審判法」では、
・主審は副審のいない側のコーナー両方を結んだ線に近いラインを基本的に移動する。
・ボールに対しては、近いほうの副審と主審がそれぞれ別の角度からプレイを見れるような位置取りをするように努める。
後者についてもうちょっと詳しくコメントしておくと。
「別の角度」とは、なるべくボールをはさんで「く」の字になるような位置取りのことである。ほぼ同じ方向から見るというのが効率が悪いことは当然だが、正反対の位置についてしまうのも正確な判定のためにはあまり資さない。
5分のシーンでRが日本の攻撃を中央よりやや左よりの位置で見ていたのはそのプレイに近い副審(この場合A1)とRがプレイをはさめる位置にいることで両者のカバーできる範囲が広がるから。ここでRがA1の側にいるようだと、たとえば競技者の影にボールがいってしまったようなときに誰も正確な判定ができなくなる。
この6分のシーンでも、Rから見てボールは競技者の向こうだが、A1からははっきり見える位置になっている。
(5年ほど前の競技規則改正で副審のほうがよく見えている場合は副審が判定できるという具合に規則が改正され、それに伴い、ラインを越えたか越えていないかだけを判定することを任務としていた「線審」が「副審」と改称されることになった)
(第6条)副審
副審は2人任命される。副審の任務は主審の決定に従いつつ、次のことを合図する:
・主審の見ていなかった不正行為やその他の出来事が起きたとき
・違反が起きたとき、その行為に副審が主審より近いときはいつでも(特定の状況下で、違反がペナルティーエリア内で起きたときを含む)


6分:
フランスフリーキック。
最初のゴール前でのフリーキック。Rは日本競技者の壁について確認をしたあと、ペナルティーアーク左側(ここでも左側であることに注意)の位置まで戻りつつ、笛でプレイ再開を合図
「戻りつつ」というところが面白い。プレイ再開を早めたいという意図が感じられた。
笛を吹いた際は、後ろ走りでRがいるべきポジションに向かっていた。

7分:
日本から見て左タッチライン上で大久保が倒される。
Rはボールを差す合図をし、フリーキックでの再開を合図した。

11分:
ボールはフランス側ゴールラインを越える。コーナーキックで再開。
A1はしっかり(当然なのだが)ボールについていき、コーナーアーク上(つまり、ラインから1yd程度)のところまで追いかけきってから合図をしている。
前回の副審があまりにもメチャクチャだったので、かえって新鮮に感じた(笑)
(何度もくり返し書くが、それは「超基本」で、できて当然のことである。それ以上にどうであるかが、本来副審の問われる技量なのだ。)

15分:
フランス陣フランスから見て右タッチライン付近で反則。フリーキックで再開。
Rは「ピーッ」と笛を吹いたあと、すぐにジョグで違反のあった位置へ。

17分:
フランス、中央からの攻撃。右前方に大きなパスを出す。
Rはこのパスに対し、まっすぐに日本ゴール方向に向かい走っていく。これも、A2とRが「はさむ位置」を取り、タッチライン付近のことはある程度A2に任せ、自分はゴール前でのプレイに対する準備がしやすい位置取りを意識しながら(もちろんこのレベルのRであるから、それは無意識)、移動している。

20分:
A1、オフサイドの旗を揚げる。
前回ニュージーランド戦のA1と比較して欲しい。このシーン、A1は左手で旗を揚げている。

21分:
遠藤倒される。倒したフランス競技者に警告。
両足ではさんでいる。かなり危険。警告が当然&相当。ケガがたいしたことなくてよかった。

22分:
A2側タッチライン付近で両チーム競技者がボールを奪い合う。フランスのボールで再開になったのかな?
リプレイのシーンで、この一連の動きを体を前方に向けつつ首だけでその様子を見ながらラインに沿って移動しているA2の映像が見られる。
もちろん、旗で合図したときすぐにRに目立つよう、旗はピッチ側(左手)に持っている。
副審の動きがよく分かる映像。

22分:
直後のフリーキック。
Rのポジションは日本ペナルティーエリアとペナルティーアークの日本から見て右側の交点。
これも、A1との「はさむ位置」

23分:
フランス競技者がA2付近のタッチライン付近から日本DF(アレックス)に対しての仕掛け。タッチライン、ゴールラインそれぞれぎりぎりのところで突破し折り返し。
このシーン、A2に注目。ボールによくついていき、ゴールラインを割る変わらないか微妙な段階に至っても、しっかりほぼゴールライン上の位置まで来て正確な判定をしている。

25分:
A2側、タッチライン付近で中村がボールキープ。この場面でもRとA2はくの字形の「はさむ位置」

26分:
日本、左から攻撃。高原を狙った縦のスルーパスは通らないが、さらに先で大久保が拾いにいく。結局コケる。
このシーン、Rはフランスゴールライン付近まで近づき、よく見ていた

31分:
A2が合図するシーン(詳細忘れた)。
表情がよい。

33分:
フランスの攻撃。ボールは右奥へ。
このシーン、A2はよくボールについていき、ほぼコーナーポスト付近の位置まで来てから旗で合図をしている。

34分:
日本競技者警告される(誰だったか忘れた)。
ハーフライン付近、日本から見て左側でその競技者がボールを持ったフランス側競技者をしつこくひっぱっていた。
Rはすぐ笛を吹こうとしたが、フランス側競技者が振り切ってプレイを続けるのをみて続行の合図最初のアウトオブプレーになったところでその日本側競技者を警告した
(第5条)主審
・警告または退場となる違反を犯した競技者に懲戒処置をとる。ただちにこの処置をとる必要はないが、次にアウトオブプレーになったときに主審はその処置をとらなければならない

34分:
フランスの攻撃。ボールは右奥へ。日本ボールのスローインとなったが、アレックスは「蹴られた」と主張。
A2は側で見ていたが合図はなし。近くかつ角度もよいA2から合図がなかった。
詳細は不明。Rはすぐにアレックスのところまで走っていき、威厳を持って対応した。適切。

36分:
日本、山田がクリア。直後にフランス競技者が出した足に接触。山田倒れる。
警告はなかった。そんなものかもしれない。もうちょいはっきり足の裏を見せていたら警告だったろう。

37分:
フランスゴールキック。
Rの位置は、今度は日本側センターサークルよりちょっと先の位置。前半2分の彼の位置取りと比較。どういう理由かはちょっと分からない。
この10ydぐらいが、このRの日本とフランスの競技者のボール支配に対する信頼の差なのかもしれない。
こういうところの10yd、そこからさらにウォークでの数ydというものの違いが、常に適切なポジションを維持するための試合中の彼の積み重ねなのだろう。

41分:
日本側ゴールラインをボールが割る。コーナーキックで再開。
Rは日本ゴール方向にまっすぐ進みながらプレーを再開すべきコーナーを右手で差す。

42分:
コーナーキックの折衝で稲本がフランス競技者を倒し、PKをとられる
いろいろと微妙なところ。長くなってしまい申し訳ないが、丁寧に解説したい。

あのプレイ単独でPKはたしかにちょっと厳しいと思う。ビデオで再生された映像では、フランス側競技者が勝手にコケたようにも見えた。
とは言っても、稲本も確かに相手競技者を掴んでいる。そして、警告された。警告もあのプレイ単体でそれに値するかちょっと難しい。

一体何があったのだろうか?単体では警告に値しないのならば、何故稲本は警告を受けたのだろうか?
僕は、この警告は「くり返し競技規則に違反する」だったのではないかと思う
実は、サッカーでは、ちょこちょこと反則をくり返していると、個々の反則が警告に値しないものであったとしても、しまいにそれ全体として警告されてしまうということがあるのだ。
(第12条)反則と不正行為
警告となる違反
競技者が次の7項目の違反を犯した場合、警告を与えイエローカードを示す:
3.繰り返し競技規則に違反する
先に指摘した通り、前半5分の彼の違反も、警告になっていてもおかしくない内容だったのだ。
まず、試合開始間もない時間の彼の違反は、Rから見て如実な位置であった上に、それ自体すでに警告されてもおかしくないレベルのものだった。
この時点で、Rは彼に対して強い注意を持ったはずだ。稲本は、すでに「マークされた競技者」だったのである。
Rは、「この調子であれば、この競技者はいずれどこかのタイミングで警告しなくてはならなくなるだろう」と、試合のかなり早い時間帯から思っていたのではないだろうか。

次に、時間は忘れてしまったが、別のCKで再開前のゴール前がアップになったシーンで、やはり彼はフランス競技者とプレイ再開前に何かつかみ合うようなことをしていたのだ。
当然、「相手を掴む」という違反まがいのことをする競技者とし前の段階から意識していたこの競技者がまたくり返し同じことをしていたことには、Rは強い関心を持ったことだろう
そして、また何か思ったことだろう。
(実際、僕ももうすでにかなり気になっていた。それまでのシーンとあわせ、彼がいつどういう形で処罰されるのだろう、と注目しながら見ていたのだ。)

それに加えて。
Rはこの試合、やはりこの前の別な時間のどっちかのFKのシーンで、激しくポジション取りをめぐって争う両チーム競技者に対し、わざわざ笛で注意を促し、そのもみくちゃな中に入っていき、「しっかり見ているから掴む違反のようなことはするな」と指示している
それは、「何かあったら、エリア内だったとしても違反を取るぞ」と本人自体覚悟を決め、また、間接的にそれを伝えていた行為だったとも言える。

そして、次に「何かやっていた」のが、特に目をつけていた「相手を掴む違反を再三にわたりくり返していた競技者」稲本だった

つまり、このプレイ自体が単体だけならどうだか分からないが、それまでいろいろやっていたのがよくなかったということだ。
極論すれば、試合開始直後からあちこちで反則まがいのことをくり返していた稲本が悪い
PKになったのも、警告をくらったのも、ある意味当然である

43分:
ペナルティーキック。フランス得点。
Rの位置はペナルティースポットすぐ横。A2の位置はペナルティーエリアの横の線とゴールラインの交点。
A2の位置は基本。Rの位置はちょっとめずらしい。近すぎたのではないかと感じた
あまりボールに近いところにいると、視界の外になる競技者が増えるので、あまり感心しない。
このシーン、ボールが蹴られる前にRの影から日本競技者3人、フランス1人がエリア内に飛び込んでいる。厳密に競技規則に従えばやり直しだが、お咎めなし。
(仮にPKが失敗だった場合どうするつもりだったのだろう?)

前半(どこだか忘れた):
フランスが日本ゴールに突進。左からの折り返しにすごいヘディング。ボールは左に逸れる。
このシーン、Rはエリア内まで入ってきてゴールキックでの再開を合図している。シュートのあった地点とたいして変わらない位置まで来ている。グッド。

後半キックオフ:
Rの位置はセンターサークル守備側、攻撃側から見て左。
この位置取りはめずらしい。通常は攻撃側ややボールより左後ろに位置するし、僕も講習ではそう教わってきた。
キックオフを開始するチームがボールを支配してゲームがスタートするだろうと考えられ、そのときに主審がこのRの位置のような位置取りをしていると、守備側の副審の位置(この場合A1)と対角線上になってしまい、「『はさむ位置』としては不適切だから」と教わってきた。
実際、そのほうが主流である。
もっとも、僕は個人的には「主流であるから最適である」と言うつもりはない。守備側DFラインの位置によって副審の位置も当然変わってくるし、センターサークル付近は、副審から見て直線でも30m近く離れているのだ。実際に「はさむ位置」が重要な意味を持つような距離ではない。
(ほとんどの国際試合では、フィールドは105mx68m。(第1条)競技のフィールドを参照)
この試合のRはとにかく重要なプレイの起こる位置に対して遅れないような適切なポジショニングを意識した動きをしていた。キックオフのときの位置取りも、その意識を反映した、「攻撃側が実際に攻撃に移ったときに少しでも近くに行きやすい地点」を志向してのことだったのではないかと思う。
ほんの数ydのことだが、上級を目指す審判員の方に限らず、普段から意識して見てもらいたい点である。

0分:
フランス右からCK。
Rの位置は反対側のエリア角、標準的な位置取り。この場所およびアークとエリアの交点がよく模範として示される場所。

7分:
日本、左からFK。
Rは位置を示してからエリア手前数ydのところに位置取りしなおし、笛で再開の合図。

11分:
坪井、相手競技者をひっぱる。
警告がでてもおかしくないシーンだった

12分:
競技者の交代。
Rは胸のポケットからブックを取り出し、センターサークル内で記載。
僕は胸ポケットより単パンの右後ろのほうが好みだった。胸ポケットにブックを入れていると、走るときに気になる。

14分:
日本、FKから得点。
Rがメモをとっているのが見える。

17分:
大久保がA2側でフランス競技者とボールを奪い合う。
A2からの合図でRは判定。

19分:
ゴール前から、A1すぐそばへボールが転がる。ボールはフラッグに当たったのではないかな?
A1は適切な位置(もちろんゴールライン上)でそれを見て、スローインの合図をした。
ちなみに、コーナーフラッグにボールが当たってフィールドに帰ってきた場合、プレイは中断しない。ゴールポストに当たったボールが戻ってきた場合とまったく同様。

21分:
R、プレイオンの合図。両手を前に出す。
その直前にも同様の合図をしていた。

24分:
日本の攻撃。相手エリア手前で倒されFKのチャンスを得る。中田が倒されたのではなかったかな?
Rは直前からの一連のプレイに対してずっとすぐ後ろの位置におり、違反のあった位置から8yd程度後ろの位置にいた
グッド。

30分:
日本の左スローインから、ボールは右へ流れ、前へ。
この試合のRのポジション取りの意識がよく伝わってくるシーン。スローインの時点でもボールより前。ボールが前に出ると、Rはすぐに前進していった。

38分:
ゴールキックで再開のボールをバルデスに戻そうとするも、高原、相手競技者にボールを当ててしまう。
仮に意図的だった場合、警告または退場となる可能性がある。

38分:
フランスゴールキック。
このときRの位置は日本側センターサークル内。

40分:
フランスゴール正面で中田がファウル。フランス競技者が倒れ、Rは担架を要請。
そのとき、時計を止めるフリのような動作をしていたようだが。どういう意味だったのだろう?
この試合ではおそらくロスタイムの計算は4thがしているはず。Rの時計はいっさい止めず流していたはずだ。
Rはあのしぐさで、「ここで生じたロスタイムは加算するように」と4thに合図したのではないだろうか?

41分:
日本、左からCK。
Rのポジションはエリア内左。多少思い切った位置な印象。

42分:
日本の攻撃。中央からボールは左コーナー方向へ流れ、大久保が追う。フランス競技者と交錯しつつ、失敗。大久保Rに抗議。
Rの姿は映像には出てこなかったが、彼の目線からするとおそらく15ydちょっとのところにいたことだろう。たしかに遠いな、と感じた。

44分:
中田、ドリブル中にフランス競技者に後ろから蹴られ倒れる。フランス競技者は退場。
当然ですな。


アナウンサー・解説;

前半7分:
アナウンサー「日本は『危ないシーンはあるだろうが、ガマンする』と決めています。」
具体的にいつ誰が何をどう決めたんだ?そして、決めるとどうなるんだ?と思って笑った。

前半10分:

「ピッチが柔らかい」という場内リポーターからの情報。
ピッチの情報を手短に伝えるよい内容だった。

前半20分:

「ピッチとスタンドは6mしかありません」
競技場の雰囲気を伝えた。適切。

前半28分:
アナウンサー「この試合に勝てば準決勝、決勝も見えてきます」
「見えてきます」どころか、準決勝はほぼ決定。
それはともかく、そういう言い方に違和感を感じないほど日本もよくやっていた。

前半40分:
「(フランスは)思ったよりも上手くいってないと感じているはずです」という解説者の指摘。
この試合の雰囲気を一言で表現する適切なものだった。

後半23分:
中田、シュートするも得点ならず。
「中盤からの飛び出しが相手にこちらを掴ませず成功している」という解説者。
グッドだった。

後半44分:
フランスに退場者。解説者
「一つ間違うと大怪我。ぜったにやってはいけません。」
これがこの試合でいちばんよかった。そういうことは大事だから、いくらでもしつこいぐらいにくりかえしくりかえしその都度そのつどいやになるぐらい言って欲しい。

後半ロスタイム2分:
アンリがスピードで抜こうとするが、だいぶボールに近い位置からスタートした坪井がなんとか先にボールに追いつき対処。
解説者「おお!坪井速いですね。」
僕はそれとまったく同じタイミングで、「おお!アンリ速い!」と思って感動していた(笑)


観客;

さすが、よく知っている。ヘンなナショナリズムを前面に出さず、両チームのいいプレイに対しては賛辞を送り、ブーイングすべき場面ではブーイングするという、誠に気持ちの良い観客であった。

前半12分:
フランス、波状攻撃に入る。いったん中盤に戻したボールは左から右へのサイドチェンジへ。
「オー!」と歓声。

前半18分:
高原オフサイド(だったようだ。アナウンサーによれば)。
パスのボールが大きく、そのままフランスGKバルデスに渡る。プレイは中断することなく進んだ。ブーイング。
Rがオフサイドを取らなかったことに対するものだろうが。ちょっとヒドいだろう(苦)。
Rは、オフサイドの違反に対し、プレイを中断して再開するか、そのまま続行するか判断できる。
(第5条)主審
・違反をされたチームがアドバンテージによって利益を受けそうなときは、プレーを続けさせる。しかし、予期したアドバンテージがそのときに実現しなかった場合は、そのもととなった違反を罰する。

前半20分:
ウェーブ発生。

前半25分:
タッチライン付近での中村のボールキープに対し、拍手。

前半29分:
フランスの攻撃。左からのクロスを楢崎が右手ではたく。
僕には聞えなかったが、場内リポーターによると拍手があったらしい。
実際、すばらしいプレイだった。

前半38分:
宮本のプレイに対し拍手が起こる(詳細忘れた)。

前半40分:
自陣コーナー付近で中田、中村、山田にしつこくボールを追われ、最後はフランスDFがタッチに逃げる。ブーイング。
決してクリア自体も悪いものではなかった。あくまで高いレベルのプレイに期待するフランスの観客の質の高さを感じた
あんなもの、ぜったいに日本ではブーイングは出ない。

後半31分:
中村、しばらくボールキープをしたあと、反転のフェイントを利かせて一気にゴール前へ。大歓声。

そのほか、中村がやはりタッチライン付近で持ったボールをキックフェイントした後反転するテクニックでボールをキープするシーンがあった。
ここでも大歓声であった。


その他:

前半38分:
「高原は前回の試合、ハードトレーニングのおかげで足が張っていたそうです。」
なんじゃソリャと思った。そんな状態でスタメンフル出場するな(笑)
(勝ったから笑い事で済んでいるのだが)

後半19分:
フランスの右からのロングスローに対し、「クリア!」と叫ぶ楢崎の声が聞える。
ボールはクリアされ、直後のもう一度の攻撃にもやはり「クリア!」

大久保って、168cm、61kgしかないんだな。びっくり。
前回の試合のあと、「大久保見もの」とコメントしたが。
大久保のみならず、日本代表が全体によい動きをしていたのにびっくりした。後半フランスに悪質な違反から退場者が出たが、勝ってる試合にもかかわらず相手が悪質な違反をしてくるというのは、やはりそれはそれで相手に十分なプレッシャーを与えてきたことのよい象徴と言える。
(最も、それとこれとはぜんぜん関係がない。何度も言うが、退場になる違反をする競技者が出るのは、主審、副審のせいではない。相手競技者のせいでもない。当該競技者がそれだけのリスクを犯して競技規則に違反し、正しく処罰された。それだけのことだ)

フランス競技者で、とんぼをひきずった後のような短髪の髪型をした競技者がいた。
「個性的なヘアースタイルです」というアナウンサーだったが。
僕は、むしろ「ヘッドスタイル」というほうがふさわしいと思った。あれは、髪というより頭だろう。

ファビアン・バルデスが自分の名前入りのグローブをしていた。ブランドはナイキ。
「自分が好きなヤツだ」と思って、けっこう笑った。
そういえば、恋多きモナコ王女との噂はどうなったんだろうな?

山田って、水木しげるのまんがにでてきそうだな。

アナウンサーが一昨年のフランスでの大敗を「サンドニの悲劇」と呼ぶと言っていたが。
その手の俗称、もう飽きた。もっと他にないのかな。

「ピピンの寄進」とか「ボストン茶会事件」とか。
「フスの火刑」とか。

03/06/22


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