ワールドカップ二次予選 日本-北朝鮮
R: アルガンディさん(サウジアラビア)
ポジショニングはおおむね適切。ゴール前のシーンでもおおむねいい位置にいた。基本的に、シュートの時は、ペナルティアークのあたり。必要に応じて数ydの範囲内で動く、という感じ。最後まで集中を切らさずよく位置取りしていた。
とはいえ、判定には「う〜ん」と思わされる点がちょくちょくあった。完璧とは言い難い。
まあ、あんなものかと思う。
あと、よく笑う審判だったな。ある意味、精神的に余裕があるのか。
A1: アルショバキさん(サウジアラビア)
コメントできるほど登場してこなかった。採点ナシ。
A2: トライフイさん(サウジアラビア)
コメントできるほど登場してこなかった。採点ナシ。
4th: ???
普通によくやってました。(名前、放送で出てきましたか?)試合開始前:
審判4人が先頭になり、続いて競技者が入場。主審、4thが中央、二人の副審が脇になって入場してきたのだと思う。中央の2人がボールを持っていた。
マルチボールシステムなのに、予備のボールとあわせて2つのボールが審判の手によってあえて持ち込まれるということころに、なんだか儀式的な雰囲気を感じた(笑
コイントス:
両チームキャプテンを呼び、Rがまず北朝鮮側、次に日本側にコインのどちらが出たらエンド、どちらが出たらボールになるか言う。
トスの結果、前半は北朝鮮ボールでのキックオフとなった。
(第8条)プレーの開始および再開
試合前
コインをトスし、勝ったチームが試合の前半に攻めるゴールを決める。
他のチームが試合開始のキックオフを行う。
トスに勝ったチームは試合の後半開始のキックオフを行う。
試合の後半には両チームはエンドをかわり、前半と反対のゴールを攻める。
コイントスに勝ったほうのチームがエンドを決めるか自分のボールでスタートするかの選択肢を持つわけではないので注意(昔はそうだった)。
ところで、こういうのって、ホーム側、アウェイ側、どっちにコインのどっち側が出たらどう、って決めさせるものなんですかね。僕はホーム側にするのが良いかな、と思うんですが。
キックオフ:
Rはキックオフ時に自らが位置するべき場所であるセンターサークル上、キックオフの地点より左後ろの位置にいたが、持っていたボールをこのときになってはじめてセンターサークルに投げる。
その段階までボールを手に持っているというのも、キックオフ前のボールを投げて競技者に渡すというのも、多少珍しいかも。もちろん、悪いというわけではない。
前半1分:
中澤がバックスタンド側タッチ付近で左足でクリア。タッチをボールが超える。
近くにいたA2は思わず首をひっこめる。
前半2分:
北朝鮮2番、リヨンサムに警告。
縦に突破しようとした日本側競技者を不正な方法で止めた。反スポーツ的行為。
前半3分:
日本得点。再開時のフリーキックから直接ゴール。蹴ったのは小笠原。
フリーキックの位置はゴール正面左30yd弱というところ。Rの位置はペナルティーエリア左角からやや離れたあたり。キックと同時にゴール方向に小走りで向かっていき、ボールがゴールに入ったのを見届けると、そのまま流れでセンターサークル方向へ走り出した。
A1はゴールの後、後ろ走りでタッチライン上をセンターライン方向へ走る。
得点の後、副審は一般的に、ゴールライン方向ではなく、センターライン方向へ走る。競技の再開により近い位置に向かう、と解釈してもらえればよいかと思う。(逆に、同じようにゴールラインを越えたとしても、コーナーキック、ゴールキックで再開するときは、副審の立ち位置はゴールライン上。)
前半4分:
北朝鮮側からボールが左へ。結局バックスタンド側タッチを割る。
Rは日本のスローインで再開することを指示。右腕をやや水平より高めに上げてのゼスチャー。
R、A1、A2は、やや腕を水平より高くあげると見栄えがよい。
前半4分:
日本ペナルティーエリア正面左でハイボールを日本側、北朝鮮側競技者が競り合う。
Rはボールが落ち着かない早いタイミングでプレーの側に来て、よく見ていた。
前半4分:
A1が旗で北朝鮮側のボールでの再開を指示。
そのあと、体を日本側ゴール方向に向け、右手人差し指で何かを指していた。何だったのだろうか。ちょっと分からない。
前半6分:
手前側タッチライン付近で加地が北朝鮮選手とボールを取り合う。ボールを支配した加地が中央の中澤(?)へ。中澤(?)からさらに前にボールを出すが、精度が悪く通らず。
Rは最初のボールの奪い合いのあと、ボールを右手で指し、前かがみの姿勢になることで、プレーを続行しろ、との合図。
この合図がアドバンテージの合図なのかと思ったが、後で同じようなゼスチャーを単なるノーファールと思しきプレイオンの合図としても使っていた。どっちなのだろうか。
もっとも、アドバンテージ、ノーファールのゼスチャーが違わなければならない、ということもない。
前半8分:
北朝鮮フリーキック。正面右、かなり距離のあるところ。
プレーの再開時、Rはペナルティーアーク左角のあたり。ボールにしたがってちょっと動いたが、日本が手前ライン付近でボールを支配すると、その地域がゴールラインにかなり近い位置だったにもかかわらず、センターサークル方向に向かっていった。
なんというか、日本のボールキープに対するある程度の信頼みたいなものを感じた。危なっかしいと感じたら、Rはこういうときボールから絶対に離れない。
前半9分:
北朝鮮のフリーキック。ゴールライン、ペナルティーエリア左の線の交わるところから5ydくらいのところ。
Rは日本側競技者に、壁を下げるよう指示。
前半11分:
日本の攻撃。左中央で小笠原がボールを持ち、中の玉田へ。玉田がボールをキープして前に進む。
Rはよく全体の流れについていっている。Rが笛を吹いたところは、エリアの入り口に近いところ。
前半14分:
北朝鮮、ゴールキック。
Rの位置はセンターサークル左手前。よくある位置。ボールはRの頭を越えていった。
前半14分:
右コーナーアーク付近まで来た加地がボールを奪われ、倒される。
倒された加地はすぐ「エー」という表情でA1を見る。
前半15分:
小笠原、中央でのプレイ時に蹴られて倒される。
別の角度からのビデオでは、北朝鮮の選手が足の裏を見せて小笠原にスライディングしているのがよく見えた。警告に値する反則であったろう。
前半15分:
小笠原、チーム役員に連れられてピッチをいったん去る。その右で、北朝鮮競技者がタッチライン上でスパイクを交換していた。
(第5条)主審
警告となる反則
6.主審の承認を得ずにフィールドに入る、または復帰する
7.主審の承認を得ず意図的にフィールドから離れる
いつも書いているが、Rの許可無くピッチから出たり入ったりすると警告されるので注意。
北朝鮮の競技者がタッチライン上で用具を交換していたが、これについては、もちろん特に問題ない。
前半15分:
プレイの再開。北朝鮮側がボールを譲る。
これにはRも拍手していた。Rが拍手するシーンを見るのは珍しい。アマチュアでは普通にあるが、テレビで見たのははじめてな気がする...。
前半17分:
加地、北朝鮮競技者にチャレンジ。北朝鮮競技者はボールを大きく出したが、加地に体が当たって前に進むことができず、ボールはそのままタッチを割った。日本のスローインで再開。
ボールが大きく出たのでなければ加地のオブストラクションを取られたかもしれない。
前半21分:
サントス(だったと思う)がバックスタンド側タッチライン上でボールを上半身でトラップ。うまくいったようだったが、ボールはラインを越えていたらしい。
Rから「ピーッピピ」と笛。
前半21分:
北朝鮮がボールを細かくつないでいるとき、Rにボールが当たる。
前半23分:
右の浅い位置から田中がクロス。エリア入り口付近にいた鈴木がボールをプレイしようとするが、笛でプレイが止まる。北朝鮮のボールで試合再開。
鈴木が押したのだろうか。よく分からなかった。
前半23分:
ハンドの反則。確か日本側競技者。
おそらく違反のあとすぐにA1から旗が揚がったのだろう。Rは余裕の笑みを浮かべる。
前半23分:
北朝鮮、正面左で細かくボールをつなぎ、シュートまで持っていく。川口キャッチ。
Rのは一連のボールつなぎを正面やや左の適切な位置で見ていた。フィニッシュの雰囲気を感じて少し中に切り込みながら前に進んだが、ニアに蹴られたボールの趨勢を見るにはちょっと不便な位置になりそうだと感じたのか、シュートの瞬間、ゴールニア側に向けた直線の動きに変える。首もちょっと横に動かして競技者の陰になってボールが見えなくならないようにした。
前半25分:
玉田、バックスタンド側タッチライン付近で相手競技者を掴み、反則を取られる。
前半25分:
右から日本のコーナーキック。
Rはボールが蹴られる前までエリアの中正面から見て左角やや中に入った位置にいたが、キックと同時にコーナーアーク左角まで移動。
どっちの位置も、コーナーキック時の普通のRの位置。詳細は不明だが、キック前まではその位置が競技者がよく見える位置だと感じていたが、キックの時には移動した先の位置のほうが適切だと感じたのだろう。
前半28分:
日本、正面左から外に展開。中へ折り返す。宮本が交錯しながらゴール前に詰めるが得点ならず。
Rは外への展開のとき、ボールよりやや前方の位置にいた。折り返しのボールが入ることにはエリアの入り口、ペナルティアークとエリアの交点やや外側の位置。
前半29分:
北朝鮮がエリア正面から攻撃。浮いてから落ちてきたボールを北朝鮮競技者、GK川口などが交錯しながらプレイ。
Rはエリア右正面やや遠い位置でプレイを見ていたが、ボールが中に来ると中央に移動。ボールが浮いたところでさらに中央に移動しながら思い切ってエリアの中へ。難しいシーンをよく近くで見た。
前半31分:
北朝鮮、右でオブストラクションの反則。20番の競技者に警告。
A1がすぐ旗を揚げた。オブストラクションの反則が、反スポーツ的行為であった。
前半32分:
直後のフリーキック。
Rは警告についてのブッキングをしながらプレー再開時のポジションに向かう。途中からは後ろ走り。アークの左端に位置したところでプレイ再開。
ボールは左から巻いてGKが直接クリア。Rはエリアの中に入ってそれを見た。
前半33分:
北朝鮮の攻撃。前に向かっていた競技者がセンターサークルを越えたところでつかまれた。日本側競技者の反則。
前半37分:
北朝鮮の右からのスローイン。
Rは競技者が再開しようとした場所は違う、と再開場所を指示。
前半42分:
北朝鮮、競技者の交代。
4thが緑色のジャージを着ているのが見える。ブランドはアディダス。
前半43分:
遠藤が倒れていて、しばらくしたところでRがプレイを止める。
遠藤の様子を見に行って、Rはいったんピッチを離れるよう指示した。
(第5条)主審
主審は:
・競技者が重傷を負ったと主審が判断した場合は、試合を停止し、負傷者をフィールドから運び出させる。負傷した競技者は、試合が再開された後にのみフィールドに復帰できる。
・競技者の負傷が軽いと主審が判断した場合は、ボールがアウトオブプレーになるまでプレーを続けさせる
・負傷によって出血した競技者をフィールドから離れさせる。競技者の出血が止まっていることを主審が確認し、主審の合図を受けてから、その競技者は復帰できる
遠藤が出血しているかのような指摘がアナウンサーからあった。
そうであったならば、遠藤は止血しないことにはフィールドに復帰できない。
第4の審判員
・第4の審判員は、常に主審を援助する
Rが直接止血を確認してもよいが、出血が止まったことの確認を4thが行い、4thからの合図を受けてRが競技者に入ってよい、と許可する、というのもOK。
前半44分:
北朝鮮競技者、鈴木と高いボールを競り合おうとして、鈴木に飛びかかる。反則を取られる。
前半45分:
日本、右からコーナーキック。
Rはエリアの中、アークよりちょっと入ったところにいたが、ボールが蹴られるのと同時に後ろにやや移動する。
後半5分:
日本側競技者(おそらく田中誠)に反則があった。
警告のためにカードを出そうとしたところで、北朝鮮側がすぐにプレイ再開。ボールは右に展開し、折り返し。
プレイが終了して、コーナーキックでの再開となったところでやっと警告した。
(第5条)主審
主審は:
・警告または退場となる反則を犯した競技者に懲戒処置をとる。ただちにこの処置をとる必要はないが、ボールが次のアウトオブプレーになったときに主審はその処置をとらなければならない
プレイを止めることでの北朝鮮側への不利益を考慮して流したのだろう。が、警告は基本的にプレイが止まった最初のタイミングでするべきであり、正直どうかと思った。
カードを出そうとする動作で日本側競技者の足が止まってしまうところでプレイ再開となると、それはそれでバランスを欠くとも思う。
後半9分:
北朝鮮9番の競技者が玉田をひっぱって止めた(だった、と思う。ちょっと記憶あいまい)。
悪質。警告が相当だったでしょう。
後半10分:
手前センターライン付近、北朝鮮競技者が深いタックル。ボールは北朝鮮へ。
Rは動いているボールを右手で指し続け、顔を倒された日本競技者に向けて、立ってプレイに参加するよう促す。
後半11分:
サントスのプレイに対して、Rは何か笛を口にくわえかけたようなしぐさを見せ、結局やめた。
何だったのだろう。。。ちょっと分からない。
後半13分:
センターサークル中にいたRだったが、北朝鮮がしかけた早い動きによくついていき、ペナルティーエリア付近でプレイが止まったときには、1秒ちょいくらいで近くに顔を出した。
近くで見ていた、という印象を与えられることが、競技者に信頼されるために重要。同じ判定でも、たとえ正しくても、遠いところで笛を吹くのと近くで吹くのとでは競技者からの印象が違う。
後半14分:
北朝鮮側競技者が、やはり掴む反則か何か(詳細忘れた)。
これも警告に値すると感じた。
後半15分:
北朝鮮得点。
Rはペナルティーアーク左端から6ydくらいの位置にいたが、シュートのタイミングあたりでは、もうちょっと左前に移動していた。
得点の喜びを表現する競技者、チーム役員を、A1が制止しているシーンが見られる。
後半17分:
小笠原シュート。
Rはビルドアップの段階からボールについていっており、シュートの段階ではアーク手前7ydくらいのところ。
後半22分:
日本、右からアーリークロス。ゴールエリア内にボールが入る。
Rはアーク手前数ydの位置。
後半25分くらい:
右のサントスからボールは中央へ。センターサークル左からさらに左に出て、最後は中澤が触ったあとボールがタッチを出る(詳細忘れた)。
Rは全体の流れによく遅れないでついてきており、ボールが出たときにも近くにいた。
後半28分:
日本、右からのコーナーキック。蹴るのは中村。
Rは中村にシャツを入れるよう指示。
後半29分:
センターサークル付近で北朝鮮競技者が警告を受ける。
後半29分:
左からのサントスのクロス、高原がヘディングであわせるが、ゴール右へ。
Rはアーク付近の位置で全体のプレイを見る。
後半30分:
玉田倒される。
完全に遅れたシーンで北朝鮮側競技者が倒した。警告。当然ですな。
後半33分:
ゴール前の交錯シーン、高原が最後にシュートするも、ゴール上に大きく外れる。
Rはアーク右角の位置でプレイを見ている。好位置。
後半33分:
4thとRがセンターライン、タッチライン交点あたりで何か話しているのが見られる。
後半35分:
ゴール前の折り返し、左から福西がシュート。ゴール右へ外れる。
Rはシュートにあわせて、アークやや左から右に移動しながらプレイを見る。
後半38分:
大黒、エリア内で突破を図るも、体を入れられる。笛でプレイが止まる。
大黒が相手競技者をひっぱったことについて反則を取られた。
後半45分:
4thがロスタイムの表示。3分。
後半46分:
日本得点。
Rはアーク中央手前の位置でプレイを見ていた。
アナウンサー・解説
試合前:
天気はくもり、気温11.3℃、湿度64%と表示が出る。
よろしかった。その数値は競技者としてはどの程度なのかとか、一言誰か添えてくれるとなお良かった。
前半3分:
日本の得点シーン。松木「壁が高くなかった」
まあまあの指摘。
前半25分:
玉田が相手競技者を掴みファウルを取られたのを受けて。
松木氏「この試合でのRのジャッジは本当にすばらしいと思いますね。」
僕はまだそうは思ってなかった。まあまあやれそうなヤツ、くらいには感じていたが。松木氏は、何をもって「本当にすばらしい」と感じたのだろうか。
前半35分:
サポートが薄い日本の攻撃について、堀池氏「加地を呼びたい」
ごもっともな指摘。この試合、日本側に二人の選手交代があるまで、全体に前線が孤立していた。
前半39分:
松木氏「北朝鮮が取りたいところでボールを取れている、と理解していただければよいかと思います。」
分かりやすい表現だった。グッド。
前半40分:
後半に強い北朝鮮チーム、ということで、画面右下に表が出る。1次予選では、前半2点、後半9点とのこと。
実に分かりやすい表だった。
松木氏、それを受けて、「『集中力=運動量』とも言えると思います。」とのこと。これもよい指摘であった。
後半1分:
堀池氏「戦う姿勢が欲しい」
後半6分:
おそらく松木氏、北朝鮮を評して「ゴール前で徹底的にあきらめない姿勢」
後半7分:
北朝鮮右から折り返してヘディングシュート。地面にたたきつけたボールを川口がはじいてかわす。
アナウンサー「決定的なチャンスを川口が防ぎました」
「決定的な[チャンス→ピンチ]」(笑
後半19分:
日本側の選手交代を受けて。
堀池氏「4バックということでしょうか。」その後、その場合の配置についてコメント。適切だった。
後半27分:
松木氏「高原もよいが、北朝鮮もよい。」
よかった。
松木氏は、試合が白熱してくるにしたがって次第にうるさいだけになっていってしまった。まあいつものことだが。
とはいえ、今回はまあ許せるかな、という程度だった。その他のところでそれなりにいい仕事をしたとも思うし。
アナウンサーは最後声が枯れていた。
試合開始直後に主審、副審の紹介がされたのはよいのだが、3者の名前をアナウンサーが読み上げる間もなくテロップを消してしまうのはどうかと思った。いつも言っているが、もうちょいしっかり紹介して欲しい。
その他:
後半14分:
手前タッチライン付近での北朝鮮への反則には、ジーコ監督も「あれは警告だろう」と言っていた、とのこと。
場所が場所だけに、よけいそうか。自分のベンチ前だしね(笑
後半33分:
北朝鮮GKが、ゴール前の交錯シーンの後倒れていたが、正直「ホンマかいな」と思った。
時間稼ぎのような気もしないではなかった。まあよく分からない。
後半46分:
失点したGKは仰向けになっていた。
試合終了までああいう態度はいかん。この試合で、いちばん北朝鮮らしくなかった瞬間だった。
日本は、試合開始直後にいい感じで得点できたが、そこで安心してしまったというか、どうにでもなりそうだというような雰囲気になってしまったというか、自分たちで積極的に試合を作っていこうという雰囲気に欠ける時間帯が続いてしまい、それが苦戦の原因になったと思う。具体的に言えば、玉田、鈴木へのサポートが薄いために攻撃の幅が狭かったこと、前線の選手から外へ出るボール、出させるためのサポートがなかったことが反省点だと思う。本来ボールをはたく役割だった小笠原も、いまいちその役目を果たしきれなかったと思う。
(というか、鈴木、玉田、小笠原という組みあわせ自体、時間を操れる競技者が不在で、次の選手にワイドにボールをはたくという雰囲気のあまりしない組み合わせな気がするのは僕だけだろうか。)
その間に、自分たちのスタイルを貫こうとした北朝鮮に主導権を奪われてしまった。ホームらしい試合運びをしていたのは、後半2人の競技者が交代してからか。
ポストプレイの精度の高い高原、ボールをキープして次の選手に広くつなげられる中村といった選手が入ってそういった点が解消され、最後は大黒という元気な選手が入って得点となった。
それにしても、北朝鮮は、率直に強いと思った。平壌でのアウェイ戦は相当厳しいものになるだろう。最終戦までにW杯出場を決めておかないと、真剣にヤバい。W杯予選に楽な試合などない、ということを改めて思った。北朝鮮も、そもそも1次予選でUAEを破っている。
あと、ああいうボールへの執着心を信条として動き回るチーム、基本的に好きです。率直なところ。涙を流してくやしがっていた彼らが来るべき雪辱戦でどこまでやるかということには、日本がW杯に出場するかしないかといこととはまったく別の興味がある。
北朝鮮の競技者。チーム名に「4.25体育団」というのが何度か出てきた。
「体育団」というのが、いかにも文字体系の源流を同一にする国のものらしく、バタくさい音感に独特の感慨を抱いた。
「体育団」というと堅苦しいが。例えば、「アトレチコ・マドリッド」だったら、「アトレチコ」は英語で言うAthletic 。つまり、ほぼ「体育の」という意味。
だから、「4.25体育団」も、スペイン語にすると、きっと「アトレチコ・25.4(ヴェインテシンコデアブリル)」とかになるわけで。そうすると、なんだかそれなりに聞こえてしまう。
逆に言うと「アトレチコ・マドリッド」というのも、ガチガチに訳せば「マドリッド体育団」とかそんなところなわけで。
だからどうした、と言われるとちょっと困るのだが、モノは言いよう、と思った(^^;
(もうひとつついでに言うと、「デポルティーボ」はスペイン語で「運動の。」だから、「デポルティーボ・ラ・コルーニャ」とかだと、「ラ・コルーニャ運動倶楽部」とか、ある意味そんな感じ。)
それから、試合中なんどか、ブラスバンドみたいな演奏が聞こえたが。北朝鮮の応援団だろうか。
主審が二カっと笑ってこぼれる歯に、なんだか大トトロを彷彿とさせられたのは僕だけだろうか。
05/02/09
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