コンフェデレーションズカップ 日本-ブラジル
この試合の放送では、何といっても
フジテレビ実況アナウンサー長阪某の無知ぶり、無能っぷり
がとにかく目についた。
前半14分、右サイドを突破したゼ・マリアからのグラウンダーのクロスが日本ゴール前に入りヒヤっとしたシーン。日本GKに当たったボールをDFがクリアした際、GKが手を負傷した。
アナウンサー:
「キーパーチャージということで、試合を止めました。」
キーパーに対する攻撃側競技者への違反はなかった。あとのビデオ再生でそれを確認して、実況、解説者が修正している。良く見えなかったのは、それはそれでよい。
そんなことより、
「キーパーチャージ」という言葉は、競技規則にない
のである。何年か前まではあったが、今はもうない。
まだこんな化石のような言葉を使っているヤツが、来年W杯を主催する国のサッカー中継で堂々とまかり通っている、とまず僕は呆れた。
競技規則第12条「反則と不正行為」を見れば分かるが、
「ゴールキーパーに対してあれはしてはいかん。」とか、
「ゴールエリア内ではゴールキーパーにこれをしてはいかん。」とかは、今の競技規則にはまるで書いてない。
今では、ゴールキーパーも、フィールドプレーヤーと同様に、「押される」とか「蹴られる」とか、「飛びかかられる」とかされると、「直接フリーキックの違反」を受けた、として扱われるのである。
GKが腕を押さえて倒れ込み、主審は笛で試合めてGKを治療させた。
15分。治療が終わり、試合再開。
主審が両チームの競技者を呼び、ドロップボールで試合を再開する合図をした。
そこでブラジル側競技者がボールを譲る、という旨の意志を示したのだろう。日本側競技者がドロップボールでボールを奪い合うための準備に入る前に、主審はボールを地面に落とた。ブラジル側競技者は、そのボールをそのまま相手ゴールライン方向に大きく蹴った。
アナウンサー:
「フリーキック、ということで、試合が再開されました。」
「おまえの目はフシ穴か!今のはどう見てもドロップボールだ。」
主審が笛で試合を止めただろう。
フリーキックで再開するなら、最低でもその前に違反がなければならないのだぞ。
ドロップボールを知らないのか?
ドロップボールについての用件を確認しておこう。
競技規則第8条「プレーの開始および再開」
ドロップボール:
ドロップボールは、ボールがインプレーのときに、競技規則に規定されていない理由によって必要が生じた一時的停止の後に試合を再開する方法である。
プレーを停止したときボールのあった地点で主審はボールをドロップする。
「この場合、試合は競技者の負傷に対する対処」のために主審が試合を止めたので、試合再開の方法はドロップボールである。他に考えられないのだ。
試合を主審が止めたのは、おまえも見ていたはずだ。
しかも、再開前にゴール前のシーンのビデオ再生で、
「ブラジルのファウルではなくて、日本選手同士の交錯でしたね。」
と、自分たちで確認しているではないか。
主審がボールをドロップしている映像も流れたぞ。
どうしてそんなチンプンカンプンな発言ができるんだ?
僕はまたあきれた。
前半30分か後半42分かどちらか。
日本競技者がブラジルの競技者をつかんだかなんだか。
アナウンサー
「オブストラクションです。」
主審は笛を吹いて試合を止め、フリーキックで試合を再開した。
オブストラクションの違反の後なら、間接フリーキックでの試合再開になる。
そのとき、主審はプレーの再開前から片手をあげ、再開後に別の競技者が再びボールに触れるまで手を挙げつづけることになっている(常識だ)。
「主審は手をあげていない。明らかに直接フリーキックだ。」
主審の動作が見えていないのか?
つまり、その違反はオブストラクションではなく、ホールディングか何かだ。
(というか、僕は主審の動作を確認する前、アナウンサーが「オブストラクションだ。」と言ったときにすでにおかしいと思ったのだが)
オブストラクション、というのは、競技規則第8条「プレーの開始および再開」の、
・相手の前進を妨げる
である。
要するに、進路を妨害する目的だけで立ち止まったりしたときに取られる反則である。
このプレーが前半30分と後半42分のどっちで起こったのかは忘れた。
なぜなら、彼はこの両方の時間に、似たようなシチュエーションで、同じミスをくりかえしたからである。
とにかく、マスコミのくせに、ちゃんと見てない。何も知らない。
たった90分の試合で、普通こんなにミスするか?オマエ、プロだろう?
スポーツ中継を何だと思ってるんだ?
こないだも別のところで書いたけど、
競技規則覚えろ。ちゃんと見てろ。
それができないなら、人が審判やってる試合で
「不可解な判定だ。」
とか、言うなよ。
ただし、このアナウンサーにも少しは良かった点もあった。
前半9分。
アナウンサーの数的優位を生かしたい、という趣旨のコメント。
後半23分。
アナウンサーの自陣エリア内でファウルを犯しそうになった日本側競技者に対する不安を感じるコメント
逆に、清水、風間両解説者はとてもよかった。
特に印象に残っているのは、
試合中を通して盛んに繰り返していた、中盤のプレスをしっかりしない状態でラインだけを意識しすぎるのはかえって危険、という趣旨の発言。
小野の前での守備のよさと後ろに下がったときの守備の質の違いについての指摘。
後半中盤以降の波戸の位置が機能しないことに対する不安を訴えるコメント。
適切な選手交代だった、という試合終了後のコメントもおもしろかった。
「どうしたレアンドロ!おまえ、ブラジル人か?」
という試合後のジョン・カビラのコメントもグッドだった(笑)
予選3試合を通して解説者の力がよく出ていたが、その分アナウンサーの非力さがかえって目についた、と言える。フジテレビには自覚の上、よく努力してほしい。
カメラワークにも大きい不満がある。
前半10分。
ブラジル側競技者が手前側タッチライン付近で、小野だったかな?の顔をつよく手で押し、その日本側競技者は押された顔をおもわず押さえてのけぞる。主審からはおとがめはなかった。
ホームチームの競技者が不正な行為をされたのかもしれないのだろう?
何故、
「この悪質な競技者にこんなに不正な目に合わされた!!」
と、しつこく別のアングルからその映像を再生しないのだ?
こういうときは、そのときの映像をしつこくくりかえし流してから、主審の顔を映すのが鉄則だ。
おまえら、口ではテキトーなこと言っておきながら、本気で日本代表応援する気、あるのか?
視聴者が何を観たいか、考えながら番組作ってるのか?
というか、はっきり言って、カメラワークに問題がありすぎる。
国際映像を責任持って作っているんじゃなかったのか?
もっとサッカーに注目している国の視聴者が気が狂ったように見ていたら、何が起こるか分からないぞ。
アナウンサーはルール知らないし、映像スタッフは当然要求される映像をまるで流さないし。
こんなんでやっていけるのか?ホント疑問だぞ。
はっきり言おう。番組作りの姿勢が甘い。まるっきりアマチュアだ。
こんなチンケな番組がまかり通っているサッカー音痴国家にW杯を主催する資格があるのか、僕は疑問だ。
主審:ニールセンさん(デンマーク人)
中盤でのプレーに対する位置取りに対しては、常に「やや遠い」という印象を受けた。
センターサークル付近では許容範囲なのだが、センターサークルからさらに25ydぐらい離れた場所でのプレーに対する彼の位置はボールから15-20yd弱の範囲。僕の感覚としては、遠い。
しかし彼の上手いところは笛の吹き方で、ちょっと離れた位置で笛を吹くときはなるべくプレーに正対して、
「ピー」
という長めの笛と同時に、はっきりとどっちのボールで試合を再開するか宣言するのである。
「近くで見ているのか?」
と抗議したくなる競技者に対しては、このやり方は説得力がある。
ただし、普段からそれでやっていると、競技者が本当に疑問を持ちだしたときに今度は別の方法でコントロールしなくてはならないようになってしまう。だから僕はあんまりいつもこの方法を使うのはどうか、と思う。早い話が、もっとボールの側で見るべきだ。
疑問を感じたのは、カメラワークについて指摘した前半10分のブラジル側競技者の行為に対する対処。
このとき、主審はセンターサークル手前側の位置あたりにいた。僕は口頭で注意すべきだと思ったが、ちょっと遠いので機会を逃すか、と思ったらやはり何もおとがめなしだった。こういうところでの主審の処置が悪いことで、試合が一気に荒れてしまう危険はある。報復行為等は十分に有り得る。位置が悪いことで主審が適切に対処するタイミングを逃した、と感じた。
この試合では前半、この手前側タッチラインあたりでの細かいファウルがその後続出した。
試合を通した判定の一貫性、という点にも疑問が残るレフェリングであったが、その不安定感を印象的な笛で補っていた、というところか。位置が悪い割にはなんとかこなしていた、というところか。
試合終了時間付近ではポジショニングがさらに遠くなりがちになっていた。
この試合のファウル数は、ブラジル32、日本21。
こまごました反則が多い試合だったが、それでも荒れないで済んだのは、広い意味でやはり彼の技量と言えるだろう。
ややおそまつな印象を受けたが、試合全体を通してはよくコントロールしていた、と言える。とりあえず及第点はつけてあげよう。
見所:
前半1分。
日本GKがキックミス。ブラジル側競技者がそのボールを奪い、シュートするも枠をはずれる。
主審の位置は、おそらくGKのキックの時点でセンターサークルより日本側手前10ydぐらい。そこからジョギングで走ってまっすぐゴールに向かっている。
前半4分。
スローインでいったん試合再開しようとするも、他のボールが入ったらしく、再度再開。
正しい対処。アウトオブプレー中に生じた出来事に対処するためにプレーを止めた場合は、再開するときの方法で再開。インプレー中に必要がありプレーを止めた場合は、ドロップボールで再開になる。
スローインが完了してから別のボールが入って来たのなら、ドロップボールで試合再開になる。
前半7分。
左で小野かな?縦への突破があった。
主審はアドバンテージの合図をした。
前半9分。
主審はスローインの位置を競技者に手で指示した。
競技規則上は指示する必要はないのだが、競技者が場所を間違えて再開すると、相手ボールのスローインになってしまう。それが意図的でない場合、あまりにもかわいそうだ。
流れとして好ましくないので、僕もできるだけ位置の違反を競技者が犯さない様に配慮をしていた。
前半13分。
日本守備側競技者が、自陣でボールを奪い合ってすぐに前に大きくボールを出す。
主審はそれをセンターサークル付近で見ているが、すぐにボールのゆくえを追いかけない。ブラジル側競技者がタックルに行ったついでに何かしないか最後まで観察し、それからゆっくり空中のボールの位置を確認すべく視線の位置を変えている。
前半13分。
A1がオフサイドの合図。
走りながら旗を揚げて、それから止まった。これは悪い見本。
オフサイドの違反が起こった地点で立ち止まり、旗を揚げるのが基本。
副審が位置を変えると、どの位置でオフサイドだったのか競技者にも分かりにくくなる。
「チガウヨ!オレ、もっと手前でボール受けたじゃん!」
ということになるのだ。
前半14分のGK負傷に対する対処は適切。
前半19分。
A2がオフサイドの合図。
このとき、A2は旗を揚げた状態で大きな目で主審の方を見てアイコンタクト。
主審がそれに合わせて長い笛を吹く。
この他、前半38分にも主審とA2のアイコンタクトのシーンがある。
前半26分。
鈴木オフサイド。
A2の位置には疑問を感じた。ラインキープが甘い。
前半42分。
主審、センターサークル付近でブラジル側競技者に装飾品をはずすように指示する。
競技規則第4条「競技者の用具」
競技者は、自分自身あるいは他の競技者に危険となるような用具やその他のものを身につけてはならない(宝石類を含む)。
試合前にチェックされる項目だ。
試合前のチェックは主審自らではなく、副審がそれぞれ1チームを担当して行なうことが多い。
その際に副審には問題視されなかったのだろう。
その競技者がその装飾具をどうしたのか知りたかったが。
さすがにそこまで日本の民放に要求するつもりはない。
後半1分。
センターサークルで日本側競技者に反則まがいの行為があったが、主審は流す。
ブラジル側競技者に不満がありそうだったが、軽く声をかけた。
後半2分。
コーナーキックになる。A2が旗を揚げたところで主審はコーナーアークを差しながら歩く。
このとき、位置はペナルティーエリア右がわに斜めから入ろう、というところ。
後半5分。
A2のオフサイドの合図はタイミングが遅めであった。
このときもA2の体は流れていた。クセのようだな。よくないぞ。
遅めにしたのは、おそらくそういう打ち合わせだろう。
「オフサイドの違反が明らかにあった。」という確信なしに副審に旗を揚げられると、競技者が混乱するし、主審もやりにくい。
後半14分。
相手陣右前方で空中のボールを受けようとした山下が後ろのDFに引っ張られる。ノーファール。
後半17分。
A2。競技者の交代に気づき、スローインで試合を再開しようとした競技者に対し、フィールドに半歩入り、手と声でプレーすることを制止している。
後半20分。
左前タッチライン付近で中山がプッシングの反則を受ける。
主審の位置はその右後ろ45度程度のところからのウォーク。いい位置であった。
後半36分。
おそらく、この試合で主審が笛を吹いた中で、いちばん主審、副審からボールが遠かった場面。
後半36分。
森島が口頭でいろいろ主審に言っていた。それまでの規準から見て、イエローカードが出ても不思議はなかった。
後半37分。
鈴木が取られたジャンピング・アットの反則は、取られるかどうか微妙。
後半39分。
A2がオフサイドの合図。
この時、A2はラインより前方にいた。ラインキープが甘い。
後半41分。
A1側にボールが横から出てきて、A1は競技者との交錯を避け、タッチライン後方へ退く。
後半46分。
主審、センターサークル付近で、右手前方向に手を下ろせ、という趣旨と思われるゼスチャー。
理由は分からない。オフサイドの合図か?時間についての確認か?
日本GKのフィスティングは、失敗だったな。失点しないでかなりラッキーだった。
伊東とアンジェロ・ディ・リービオって、似てるよな。
いつ聞いても、ドリカムの歌が
「ゴーホーム!ゴーホーム日本!」
と聞こえてしまう。
01/06/05
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