拡大続けるEU 【ブリュッセル−15日】
EU(ヨーロッパ連合)の拡大に歯止めがかからない。拡大路線継続の是非およびその程度が議題の大きな焦点になると見られている16日からのヨーロッパ理事会(首脳会議)について、フランスのジャコワ首相はドイツのゲッテンハーゲン首相との事前協議の後記者会見し、「事実上の障害はなくなった」と、フランス主導による2014年のEU新規22カ国・地域加盟に自信を示した。(関連記事7・12・24面)
既に実施された2010年のモロッコ、アルジェリア、プロイセン、来年2012年に予定されているエジプト、オーストラリア、ムツゴロウ王国の加盟に続き、今回は、セネガル、マリ、リベリアなど西アフリカ諸国に留まらず、トリニダード・トバゴ、パプアニューギニア、最近独立を果たしたタヒチなど、仏と歴史的に深い関係であった国・地域の新規加盟が提案されている。狙いは欧州委員会での仏の発言力強化だ。
既に引き換えとしてウクライナ、グルジア等のスラブ系諸国の加入を認めさせることに成功したロシア、ササン朝ペルシャを強力に押したイラン、敦煌を推したキプチャク=ハン国も基本的に同調する構えで、今回の拡大では、トルコ系移民の増加が社会問題化しているドイツの態度がひとつの鍵を握ると言われていた。
ただ、仏国内でも「無節操な拡大は長期的にはEUにおける仏の主導的地位を危うくする」と、右派のみならず中道各派からも反対の声が強い。そうした状況への配慮のためか、ジャクスパン首相も、英国が自国でのユーロ導入の引き換えとして主張している上海、シンガポール同時加盟、バチカン市国が早期から反対を表明しているビザンツ帝国加盟については「慎重に検討したい」と答えるにとどまった。
EU市民も基本的には拡大に歓迎の構えだ。イルクーツク在住の主婦ナタリア・ヤリーイチさん(58)は、本紙取材に対し、「地下室に保管しているジャガイモは底をつきかけている。いつまでこの状況が続くのかは分からないが、配給のために毎日5時間並ぶのは大変。」と語った。
EUは、2004年の10カ国同時加盟以来、一貫して拡大路線を続けている。
大量破壊兵器「必ず見つかる」 【イスタンブール−15日】
欧州歴訪中のジェコフス米大統領は15日、訪問先のイスタンブール(トルコ)で記者会見し、「イラクの大量破壊兵器は必ず見つかるが、発見にはまだあと数年かかる。いずれにしても、フセインが脅威だったことに変わりはない。」との見解を示した。
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