バルセロナ海に臨む丘に城があって
僕はそこのバールで冷えたコーラを飲んだ
閉じた瞳には黄色い太陽
黄色い砂の感触は靴底からも正確に感じとられた
乾いた城壁をトカゲが這っていた
大きな砲台は錆びついて 黒くて 重くて
熱く焼けていて 静かだった
海からは波の音が聞こえてくる気がした
坂道からは梢の揺れる音がした
潮風は僕の頬を撫でていって爽快だった
僕は少しだけ眠くなった
暖かい日射しと風は僕の舌で混じり合い
軽く握った手のひらにもやわらかくしみこんできた
黄色い砂と黄色い太陽の感触が
僕の中枢をめくるめく支配した
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