ホルヘの静寂

ホルヘの静寂


ラテン文化コーナーでアルゼンチン人の画家、Jorge Ferraresさんなる人が紹介されて、彼の絵がなかなかおもしろかった。

パンパの風景画が中心なのだが、紹介された何枚かには昼間の風景の絵があった記憶が僕にはない。
それよりも、夕日、だと思うのだけど、おおきくて地平線に近い黄色い太陽と夕焼け、それに染まるパンパの平原の絵が僕にはいちばん印象に残っている。

ジン・タイラがインタビュアーになって彼と話をしていたのだが、パンパはやはり自分にとっての心証風景なのだ、と彼は言っていた。ヒアリングと字幕に集中していてメモがほとんど残っていないのでなんとも言えないが、パンパで見た夕焼けの印象がどう、とか言うこともやはり言っていたと思う。僕にとってはとても印象的だった。
「パンパは私の中でアルゼンチンらしい風景です。」
みたいなことを彼は言っていた。
"Tranquilidad"という言葉を彼はパンパに対して使っていた。「静寂」という意味だ。
パンパには静寂を感じる、と。

彼の描いていたパンパの絵は、僕のイメージととても近かった。
僕は、アルゼンチンのパンパを2回旅行したことがある。
1度目はボリビアとの国境の街ラ・キアカからパタゴニアまでを南に抜けて行く旅行で、次はチリのサンチャゴからブエノスアイレスまでの24時間ぐらいのバス旅行だった。
その前にも、やはりサンチャゴとブエノスアイレスの間を、飛行機で往復したことがあったな。

その辺の話は、こちらまで。

本当はこの機会に去年のそのサンチャゴ-ブエノス間に撮ったデジカメの写真でもアップしたいところなんだけど。
なにしろ入院中なので、手元にないのが残念だ。

彼自身は、今日本で暮らしている。もうずいぶん長いらしい。もとは建築家だったそうだ。39才で2人目の両親を亡くし、42才の彼自身の厄年まで仕事を休んで絵を描くか、とやったのきっかけだったらしい。元々はピアニストか絵描きになりたかったのだが、両親に反対されてそうはしなかったとか。ピアノの腕前も、ちょっと披露していたな。

日本での暮らしも長く、茶道と、あと何が趣味だったかな?
いぐさで編まれた畳に座って茶道に集中していると、自然の中にいるような気がする。子どもの頃に体験したパンパの自然と通じるものがある、というようなことも言っていたな。
いぐさとパンパの関係は分からないが、彼にとっては共通の何かがあるのだろう。

なにか、とりつけたような大きくて印象的な目をしている人だった。インタビューの最後のほうで分かったのだが、近視らしい。
彼自身は今、新作としてパンパをテーマにした焦点のボケた作品を作っているそうだ。
「近視眼的」という表現を彼は使っていた。
焦点のおおきいボカされたような形象は他の作品にも見られた気がする。

他にも、日亜交流100周年記念、だったかな?で特別に描いた人物画というのもでてきた。
タンゴバーか何かの様子を描いたもので、これまたアルゼンチンらしい、としか僕には形容のできないものだった。哀愁が漂っていて、切なくて、物悲しくて、やりきれなくて。そんな喧燥があって。

とにかく、彼について、アルゼンチン人なんだなあ、と僕は思った。
アイデンティティー、というものか。


スキットドラマでは、Mayaは"el Hotel buena vista"のロビーで受付を済ませて、ひと息ついた。

すっげえホテルだった。
デカい地上階から白くてゆるやかな曲線をした階段が1階に続いていて、その下にはきれいなプールがある。もちろん、人が泳ぐためのものではない。そして吹き抜けだ。
中は、もちろんデカい。
部屋に行っても、例えば、1人で過ごすにはあまりにも大きなベッドが1つより多くあった。
1泊300ドルぐらいするんじゃないか、という感じだった。

「明日になったら、ホテルを替えなきゃいけないの。」
彼女は、現地の友人役として今日登場して来た新キャラカルラにそう言った。
最初の1泊だけ心配だからとりあえず予約をとって、どうせだから超豪家ホテルにした、というところか。


「おしゃべり・DE・アミーゴス」では、今日はホルヘがラテンのほうの女の子と2人で遊んでいるところに、リチャードと日本人の女の子の2人が偶然合流してきて、ホルヘが悲しむ、というネタだった。
ホルヘはそれまで一生懸命「これから映画に行こうよ。」とかなんとか彼女を誘っていたのに、彼女は「でも、せっかくいい天気だからこのままでいたいわ。」なんて言ってなかなかうまくいかなかったのだ。
それなのに、2人でベンチに座っていたら、リチャードが出て来て「踊りにいこうぜ。」「いいわ。いきましょう!」とあっさり連れ出されてしまった。
せっかく彼女にプレゼントした花も、立ち上がる勢いで彼女のスカートの上から地面に落ちてしまった。
哀れ。ホルヘ。

"Animo!!"
ドラマの後、アルベルトがげんこつをガッツポーズにして言った。
「がんばれ!」という意味だ。

あにも!ほるへ!

01/07/18


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