むしろ日頃の姿勢
「医療ミスから守る法」の最終回、
「その時どう対応するか」
を見た。興味ある話題だ。他人事ではない。
進行は昨日と同じセットだった。
解説役の医療ミス調査会の人は、代表世話人ということだった。
そもそも、医療ミスに患者が気がつくには?
という質問から話がはじまった。
・本人の体調の変化(それまでにない症状が現れる)
・医師、看護婦の態度がおかしくなったり、あわただしくなる
・手術の後等に、あらかじめ説明を受けていない症状が現れる
そういうことがあったときに分かる、という解説役の人の話だった。
続いて
「医療というものは専門的で分かりにくい、という患者の側の思い込みがありますが。」
という問いかけがあって、
「医療というものは起承転結がはっきりしているので、本来の道から外れてきたら分かるものです。」
という回答があった。
そのために日頃から自分がどういう診療を受けているか記録に残しておくことがよいということで、一例として彼が幹部をやっている病院の「自己管理カルテ」というものが紹介された。
これは、時系列で表になっているところに医療機関側が医療情報を書き込んでいく、患者側も希望等を書き込んでいく、という情報共有化ツールだった。
でてきた例には医療機関側からは投薬計画、治療成果等が書き込まれ、患者側からは栄養相談の機会についての希望等が書き込まれていた。
「双方の理解を深め、信頼関係構築に有効です。日頃から情報を共有していることで、疑問が起こった場合にしこりを残さないためにも有効です。」
という解説役の人のコメントだった。
「でも、こういうもののない病院もありますよね。」
という聞き役の女性の質問。
「無い場合は自分でなんとかするしかないですね。話を聞いただけではダメです。記録に残さないと。」
という解説役の人のコメントだった。
その場合はカルテを開示してもらいなさい、ということだった。日常の信頼関係の構築のためなら、カルテは開示すべきだという方向で医療関連団体の見解は固まりつつある、医師会でまだやや反対の声があるぐらいだ、ということだった。
「とにかく、いいかんげんなことでは済まさないことが大事です。」
というコメントだった。
カルテを見る際のポイントが紹介された。
・どのように検査が進められたか
・どのような診断がされたのか
・どのような治療方針なのか
・どのような薬が使われているのか
診断にも、初期診断、その後変更される診断等がある。
「入院した翌日、翌々日には初期の診療方針が必ず出ます。最低でもこれが無いようではダメです。」
ということだった。
こんな対応に要注意。
・カルテを見せない→カルテを書いてないか、書き方がズサン
・説明を拒絶する
・説明に説得力が無い→医者が状況を把握していないかもしれない。診断途上なら、途上とちゃんと言うようでなければならない
・責任逃れや不誠実な発言がある
もし医療ミスがあったかなと思ったら、書面で回答を求めるのがよいだろう、ということだった。
それを元にして、医療事故患者援助団体のようなところに相談に行く。
・病院との交渉の進め方
・ミスの可能性を判断できる医者の紹介
・医療裁判を専門とする弁護士の紹介
等をしてもらえるらしい。
「先にあげたような方法で日頃から情報共有のために努力していれば、裁判までいかず示談に終わることが多いですが。」
という解説役の人の話だった。
番組の最後に、
「医療者の持つ情報は患者さんのものです。医療機関は積極的に開示し、患者さんもしっかり理解し信頼関係の構築に務めることが大切です。」
という解説役の人の言葉があった。
「医療ミスから守る」のシリーズ3回としての総括で3点が指摘された。
前回と今回のまとめが、
「セカンドオピニオンを積極的に」
「『何かおかしい』と思ったらすぐに聞く」
だったのだが、第1回の分が
「ミスが起きやすい日を知る」
だった。ただし、これは入院初日、7日目が特にミスが起きやすい、という指摘にとどまった。
今日の番組はタイトルこそ「その時どう対応するか」というものだったが、そういう話よりむしろ、日頃からどう医療機関と接するべきかというところに主眼が置かれていた、という印象だ。
やっぱり患者の側の努力も大切なのか、という感想。
医療は専門性が高いから患者の側が理解しようとするときにハードルを感じる、という話だったが。
もともと僕は大学受験で生物も使っていたぐらいだし(高校では物理、科学を選択していた)、大学での専門も生き物を扱っていたということで、入院当日からあんまり抵抗なくいろいろ突っ込んだ質問ができた。
「僕はかくかくしかじかで生体内で起こることの話は詳しく聞きたいタイプの人間だから、ややこしい説明も遠慮なくどんどんしてくれ。」
と最初にやった効果かどうかは知らないが、僕の担当のリーダーの先生はとにかくよく説明してくれる。
一度なんか、大学の講義みたいな雰囲気になって、彼がうっかり、
「こね君」
と僕を呼んでしまったぐらいだ。彼はそのまま気がつかないで説明を続けていた。
説明を記録に残すというのは僕はぜんぜんやってない。
こんな感じの説明を受けた、なんていう話を話題のひとつとして日記に書いている程度だ。
数字の記録も体重以外ほとんど残していない。僕のやり方はおそらく不完全だ。
「自己管理カルテ」なんて、どこの病院でやっているのだろう?結構普通なのかな?
「ミスが起きやすい日を知る」
というのは、かなりウケた。僕の経験から言うと、日曜日もあぶないぞ。
明日はパニック障害の話らしい。
去年から新薬が登場したということだった。パニック障害にも、前から興味があった。
この番組、テーマによっては意外にハマりそうだな。
01/06/27
管理人にメールする
「テレビの感想」トップへ
こねこねのさいとトップへ