凹むな販売店

凹むな販売店


英語ビジネス・ワールドは今月からテーマが変わって、

"Creating an Idea"
「アイデアを練り上げる」だ。

今日はその第1回だった。


スペインの自転車メーカーの商品を売らんとして、日本の小売業者が広告代理店と協力して、自転車メーカーの社長を招いて販売戦略について話す、というような内容だった。
舞台はその自転車メーカーの現地法人事務所だ。

・初対面のビジネスパートナーに信頼感を与えることに成功し、
・相手の長所を誉めて和やかな雰囲気にすることに成功し、
・自分たちの話に興味を持たせることに成功した

というのがスキット前半の内容だった。
「日本では有名な企業でも、世界レベルでは知名度が低い場合があります。」
なんていうのは、あたりまえなんだけどね。やっぱり言われると、自分がうっかりしていたような気がすることだ。


"Trouble Spot"
は、せっかくはるばる遠くから来た顧客に対して、販売店が
「このプランはたたき台です。」
と言ってしまったことが原因で、
「ちゃんとやってくれていると期待してやってきたのに。」
と渋い顔をされてしまう、というものだった。

「反応を見るだけの『たたき台』は期待されていない。」
ということだった。責任感の感じられない提示のしかただ、と。
実際、メーカーのほうも、スペインからはるばる事情の分からない東洋の国に来たのに、
「まだ何も決めていません。」
と言われてしまっては、がっかりだろう。

それで、"Overcoming Difficulty"で代理店が資料等を活用して販促計画の要点を話して収束したのだが。


販売店はメーカーの社長に
「そんなんでは困る。」
と言われてすっかり窮してしまったのだが。
そんなことで窮していいのか、と思った。
代理店が助けてくれなかったら、どうするつもりだったんだ?

テキストにもあるとおり、本人は、
「相手の意見を聞くための相談の余地がある。」
という意志を伝えたかったのだろう。
「具体的な提案を期待していた。」
というメーカーの言葉に何も返せないままに、答えの分からない計算問題を指されて窮している中学生のようになってしまってどうする、と思った。
実際、代理店はそこで資料を活用して具体的な提案をしていけたではないか。
ああいう言われ方をされたときにひとりでどう打開していくのか考えなければならない。

「使う単語ひとつをとっても、相手に与える印象が違うということを常に意識して、日頃から訓練しておきましょう。」
と、テキストにもあった。
窮してないで、
「言い方が悪かったせいでそういう解釈をされてしまったことは遺憾だが、真意は違う。こういう販売戦略を現段階では考えているのだ。」
という風に話を進めていかなくてはならないだろう。
むこうだって、わざわざスペインからやってきたのだ。できればよい話としてビジネスを進めていきたいと思っているだろうし、その一方で相手の力量を見ようというところもあるだろう。
初対面の海外からの客の前でこんな態度を取るようでは今後この販売店には信頼が置けるか疑問だ、と、僕がメーカーの社長ならきっと思っただろう。
むしろ、逆にこの状況を乗り切って行った代理店のポイントは高い。


トレーシー・ロバーツ婦人のコーナーは前回に引き続き、EIの話だった。
今日は心理学者がEIのビジネス現場でもたらす好影響の具体例について話す、というものだった。
出てきたのは心理学者だった。

「EIの高い人というのは、物を考えたり、感情を表現したりする力に優れていて、自分の行動の影響を考えながら、感情をコントロールできる人です。」
「ビジネスにおいても、消費者の志向が分かるので、企業のトップに立った場合も適切な戦略を考えることができることが期待できます。」
「ある国際的大企業では、およそ40人いた支社長のうち半分が2年で業績不振のために退職してしまいました。それがEIを導入した人事制度を起こしてから、6%まで減りました。」

EIについてはずいぶん前から考えられてはいたのだが、注目されはじめたのは80年代後半から。
本が出たのは95年ごろからのことだ、という話だった。


センス、だと思うんだけどね。センスとしか言いようがない。
情報を取捨選択してパケットにおさめるセンスとか、市場に対する感覚とか。
心理学者が言っていたとおり、EIみたいな能力は誰にでも潜在的に備わっている、というのは分かる。
でも、それを自分で引き出せるかどうかはその人次第だ。
引き出される環境に身を置くことを自分で選べるか、ということも含めて。

今月第4週のこの番組のスキットが、
"Dealing with a Distractor"というので、
「自分の関心のある方に話題をそらせ、会議の進行を混乱させる人」への対応が主題なのだが。

ちょっとテーマ的には違うのだが、これなんか、典型的な「分かってない奴」だ。
話の方向性が見ていない人と会話しようとすると疲れる。会話にならないからだ。

この番組を見ていると、入院前につきあいのあったいろんな人物の顔を思い浮かべてしまう。

01/07/04


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