めんてぃーら!

めんてぃーら!


今日のスペイン語会話でいちばんおもしろかったのは、シーラちゃん。


今日の新スタンダード40は、
"Son las once.(ソンラスオンセ:11時です)"
だったのだが、ジン・タイラとのその練習シーン。

ジンが机で本を読みながらウトウトしかかっているところにシーラちゃんが登場。
ジンが時間を聞いて、シーラちゃんが「9時だよ。」と答えると、ジンは「10時になったら起こしてくれ。」と言って寝てしまう。
せっかく遊びに来たのに、とふくれたシーラちゃんは、いじわるでジンに「ジン!11時だよ。」と声をかけた。
"Son las once."
スペイン語である。

それを聞いて、ジンがバタバタと慌てた。
慌てているジンを見て、シーラちゃんはつい、
「Ah! Jin! Menti...」
と言いかけて、
「・・・冗談だよ!冗談!」
と、日本語で言い直したのである。

"mentira(メンティーラ)"
というスペイン語がある。「冗談」とか「ウソ」とか、そういう意味だ。
直前にスペイン語でジンに話しかけていたから、ついスペイン語が出かかってしまったと見た。
毎度言っているが、どうして彼女が初心者役なんだ?

もっとも、そこがおもしろくていいのだが。


その前の新スタンダード40の練習シーンでは、向かって右にジン、左にシーラちゃんという並びで、
"Son las once."
の練習を身振りつきでしていたのだが。

向かって右側のジンが右手で左手首を指して Son las once. と言っていたのに対して、左側のシーラちゃんは左手で右手首を指して Son las once. と言っていた。
テレビというのはそういうものなのだろうか、なんてことを思った。
ちなみに、シーラちゃんは両手ともに時計は巻いていなかった。


"once"の発音についてスペイン語お助けマン「のり」は、
「スペインでは舌を歯の間に挟んで発音し、ラテンアメリカでは日本語の『セ』のように発音するので使い分けましょう。」
みたいなことを言っていたが。
まあ僕らはネイティブではないし、目指すレベルにもよるだろうが、新スタンダード40ぐらいの人ならそこまで神経質になることもないか、と思う。
多少気にかけておけばいいかな、という程度だろう。どちらでも通じるはずだ。ちなみに、僕は気にかけていない。
(誤解のないように言っておくが、もちろん「のり」も、おそらくそんな程度のニュアンスだった)
僕が南米に持っていったスペイン語のCD教材はおもいっきり本国仕様だったが、そのまま、というわけでもなかったが、ほぼ問題なく南米でも通じた。

その手の話題なら、むしろテキストに載っていた、「地域と言葉」という囲みコラムの中のJaquelineのトークで出てきた"de repente"の用法の話。
ペルーやチリでは「急に、突然に」という意味ではなく、「おそらく、多分」という意味で使われる、という話のほうが、僕には興味深かった。

この"de repente"ぐらいだとちょっとレベルが高いが、。見てみると、先週のほうのこのコラムでは、乗り物の乗るときに、"coger"を使うか"tomar"を使うかどちらがよいか、なんていう話題も載っていた。
これなんかは、普段自分が使う本当に身近な言葉だ。

スペイン語には地域差が大きい。
使われる地域が広大だから、当然と言えば当然であるが。


今日、もう一度先週とまったく同じ内容のスキット「いとしのキューバ」のMayaがタクシーを拾うシーンからを見て、
・タクシーはエアポートタクシーのような高級タクシーのようだ
・学校帰りと思われる子どもの映像はあったが、遊んでいる子どもの映像はなかった
なんてことに気がついた。

しっかし、"el Hotel Buena Vista"だよ。
"Buena Vista(ぶえな・びすた)"とは、「素晴らしい眺め」という意味だ。
Mayaが来たのは、真っ白くて背の高い高級ホテルだ。ボーイさんなんかもいる。
キューバだから、なのかな?どハデな出だしだ、と思った。
他の語学のスキットとは違う。もちろん、善悪不明。


アミーゴス・DE・ペルーのJaquelineはリマにある国立の南米最古の大学に通っている学生ということだったが。
「自分の国に役に立たい。自分の国を前進させるようなことをしたい。」
なんていう彼女の目がいいな、と思った。

Jaquelineは18才か。
僕が18のころはそんなことは考えていなかった。ただただ毎日おめでたく暮らしていただけだ。

彼女の家での朝食の風景も映った。
「どんなに忙しくても家族全員で朝食を取ります。」
とナレーションが流れた。
やっぱり、わりとピシッとした家庭という印象だった。使っている机やらテーブルクロスやら、後ろのカーテンの品もよかった。
両親は自分の会社を起こした人たちらしい。


僕がエクアドルで世話になっていた友人の家では、朝食のみならず、昼食、夕食も家族全員が当然の基本だった。
大学生だった僕の友人は学校は午前中に終わってしまうのでそうでもなかったが、オヤジも朝9時過ぎの朝食を食べて仕事に行ったと思ったら、午後2時頃の昼食に合わせて帰ってくる。彼の仕事は午後5時過ぎに終わる。
キトの中心部から彼らの家まではたいした距離があったので、食事の度に集合するのはちょっとした手間だった。よくやっていたと思う。きっと今もそうしているのだろう。
ラテンの家族の結びつきの強さを象徴する逸話でもある。

それでいて、彼は
"Yo trabajo mucho."(ジョ・トラバホ・ムーチョ:私はよく働く)
なんて言っていた。
何度か彼のオフィスに行ったことがあったが、特別トラバホムーチョな感じでもなかった。
エクアドルの経済が停滞するのも分かる、と僕は思った。
ちなみに、彼は軍人上がりの会社社長であった。


エクアドルといえば、ついでに別の話題をもうひとつ。

アルベルトの歌を聴いて以来最近また僕の中でスペイン語ブームで、ラジオ講座のバックナンバーの上級コースを毎日読んでいる。お目当てはもちろん、「めがねのマノリート」だ。生きたスペイン語は楽しい。
それで、NHKラジオスペイン語講座バックナンバーの11月号で見つけたコラムの内容。

毎週金曜日にスペインとエクアドルで"Anoranzas(望郷)"というラジオ番組が30分間放送され、大西洋をはさんで離れ離れになっているエクアドル人の心を慰めている。これはスペインに働きにきたエクアドル人と国にいる家族が電話で近況を報告しあう番組。息子や孫からの久しぶりの声に、すすり泣きしか聞こえてこない家族も多い。そのため、生番組は無理なので事前に収録したものを放送している。
なお、スペイン在住のエクアドル人は約30万人。今年に入って受け付けられた不法滞在者合法化処置では、モロッコ人に次いでエクアドル人の申請者が多かった。


国が苦しいといろいろと大変だ。たしか、エクアドルはこのあいだ自国通貨を放棄してドル化政策を実施したのだよな。
スペイン好景気、という話を聞いたのはもうずいぶん前の話だ。今はどうなのだろう?僕は知らない。
それにしても、エクアドル人の不法滞在者がそんなに多いということは、僕にとってはやや意外だった。


シーラちゃんの話に戻るが。

今日は月イチのラテン文化紹介コーナーで、リチャードさんのサルサ教室も、今月で最後らしい。
来月からはメレンゲだとか。

(ああ、もう。なんでラテンの男女が踊るとこんなにサマになるのだろう)

と思いながら、僕はリチャードさんとシーラちゃん、ジンとシーラちゃんが踊るのを見ていた。
ホント、なんであんなにサマになるんだろうね。

そしていつも思うのだが。
シーラちゃんは、どうしてあんなに細いのだろう?

01/07/11


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