2兆ドルの経済損失
ここ何日か忙しくて、「スペイン語会話」と「英語ビジネス・ワールド」の予習どころではなかった。
今朝は5:30に起きたが、日記を書いてるだけで精一杯だった。
6:30になって、あわてて「スペイン語会話」のテキストのスペイン語で書かれている部分だけ読んで、分からない単語だけ簡単にチェックした。
7:10からは「英語ビジネス・ワールド」があるので、「スペイン語会話」の間は中級以上向けのコーナー以外はあまりちゃんと見ないで、内職で「英語ビジネス・ワールド」の予習をしていた。
今日の「スペイン語会話」でおもしろかったのは、ついに回想シーンの中でMayaが
「私、キューバに行きたいわ!」
と言いだしたのだが、それでSergioやSliviaから
「行け!行け!」
とあおられたときに、「サルサを踊るグループ」のメンバーのもうひとりの日本人の女の子がすかさず、
「良かった。うれしいわ。」
と言って、みんなの乾杯を誘ったことである。それが今日の彼女の唯一のセリフで、彼女はそのとき、バーのカウンターのいちばん端にいた。
彼女には、Mayaのことをあまり快く思っていなかったような節があったのだ。
それは、そうかもしれない。
あのグループに、それまで日本人は彼女ひとりだった。
そこに、ひょっとやってきたアルゼンチン帰りの心に傷を負っているMayaという日本人が現れて(注:彼女にはスペイン人と結婚したが逃げられてしまったという過去がある)、みんなの注目はかわいそうな彼女にいってしまっている。Silviaなんかも、Mayaを見るときの目が違う。存在感が弱くなっているから、僕にもまだ日本人の彼女の名前が覚えられないぐらいだ。
Silviaはアルゼンチン帰りのMayaに
「ラテンの世界へようこそ!」
なんて日本で言い出すぐらいにおトボケた人だから、当然この日本人の彼女の気持ちなど気づきようもない。
一度なんか、Sergioの家にみんなで集まってサルサを踊っているとき、SergioのリードでMayaが踊っているのを見て、Silviaが
「Mayaって、どんどん踊りが上手くなっていくわね。」
なんて彼女に話しかけたことがあった。
そのときも彼女は、
「踊りが上手い男のリードなら、誰でも上手く踊れるものだわ。」
とか冷たく言い放っていた。その目も明らかに友好的ではなかった。
(もちろん、鈍いSilviaは彼女のそんな様子に気がつくでもなかった)
「私、キューバに行くわ!」
というMayaの言葉のすぐあとで
「うれしいわ。さっそく乾杯しましょう。」
と言った彼女のセリフのむこうに聞こえてきたのは、
「うれしいわ。これから、あなたは私の視界から消えようとしているのね。」
という心の言葉な気がした。そりゃ、そんないい話を聞けば、すかさず乾杯したくもなるだろう。
熱心なNHKスペイン語会話スキット視聴者なら、たぶん同様のことを思ったはずだ。
まあとにかく、回想シーンの中でとはいえ、ついに彼女もキューバに行く決心がついたようだ。
ジンもシーラちゃんも喜んでいたけど、一般視聴者もおそらくうれしいぞ。
スキットドラマが先に進むのはまた再来週の話だが。
再来週は、彼らはどこで踊るのであろうか?今週はサルサバーのようだったが。
例えば、池袋サンシャイン・シティーのパスポート交付待合ロビーで、Mayaのパスポートが交付されるまでの待ち時間に音楽をかけていつものメンバーで踊る、とかいうのはどうだろうか?
今日の「アミーゴス・DE・ペルー」で出て来た料理、Asado de Pollo, Escabeche de Polloを見ていて、僕はこないだの3月に死んでしまったアントニオのミサと、そのあと彼の遺骨を取りに彼の奥さんがペルーから来たときにやったちょっとした集まりのことを思い出した。彼の親戚や友人たち、あるいはひょっとしたら奥さんも作ったのであろうその時出てきたペルー料理の匂いが、妙に懐かしくてなんだか悲しかった。
日本にもペルー人はたくさん来ている。食材も手に入る。インカコーラだって飲むことができる。
Isabel Loliの言うとおりだ。
「英語ビジネス・ワールド」の今日のトレーシー・ロバーツ婦人のコーナーは、ストレスとその解消法についてのレポートだった。
「ビジネスマンに与えるストレスが及ぼす米国経済への経済損失は2兆ドルになる、と計算されています。」
2兆ドルといったら、すごい額だ。どこそこのナントカ研究所がそう試算したらしい。
いつも思うのだが、こういうのは、どうやって計算しているのだろう?生産性の低下、賠償費用がその主な内容らしいのだが、ぜんぜん見当がつかない。
ストレス専門のトレーナーとストレスで心臓病になってしまったという米国白人おじさんが出て来て、彼のストレスを取り除いているシーンが紹介された。彼の目はややうつろで、ちょっともどかしい感じの雰囲気がする。もっとも、ストレスがかかる前からそういう人だったのかもしれないが。
彼がやっていることは、道具をつかった簡単な運動、というところだった。
トレーナー女史の話になった。
「ストレスの原因とすぐにむきあえる人、なかなかそうもいかない人がいます。仕事、金銭面、家族の問題、どこにストレスがあるのか、まずそれを探します。初心者の方からは、まず45分から60分かけて話を聞きます。」
彼女によれば、相手に深呼吸をさせ、足のどこに体重がかかっているか、その動きを見るだけで、その人のストレスの具合が分かるものらしい。
「自分でストレスを理解し、ストレスと楽しみのバランスをとることが重要です。」
そんなコメントで、映像はスタジオに戻った。
「ストレスを経済的なロスと捉え、そこにひとつのビジネスチャンスを見ている、というところがおもしろいですね。」
田中先生のコメントで、番組は終わった。
パターン的に言って来週はこのコーナーで同じネタを掘り下げていくはずだが。
どうビジネスとして成立させ、具体的にそのビジネスがどういう効果をどういうところに与えているのか、とかいう点が気になるところだ。
01/06/13
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