ペルー邂逅

ペルー邂逅


スペイン語のスキットの内容は、2週ごとに変わる。

今日は先週と同じ内容なので(はっきり言って2週連続同じ内容のスキットなのは視聴者のモチベーション的にはどうなのか、と思うのだが)、前回アレ?と思ったが触れなかった点について。

まず、踊っているシーン。

音楽がかかっているのだが、踊っている彼らのまわりに、ラジカセ等の音源が見当たらない。
どこに、置いてあるのだろう?
ずっと探していたけど、分からなかった。
でも、彼らの動きと音楽が合っていたから、きっとどこか画面からは見えないところにあったのだろうな。

それと、もうひとつ。
Silviaがワインと複数のグラスを持ってきて、「乾杯しましょう!」という具合で長い距離を歩いてくるのだが、
・このだだっ広い公園の、どこから、そのワインとグラスを持って来たんだ?どこに置いてあったのだ?
・グラスが人数分より少ないのではないか?
・そもそも、公園で一杯飲もうというときに、グラスなんて用意するか?普通紙コップだろう。
という点も気になった。

もっとも、「荒唐無稽さがウリのスペイン語スキット」らしいから、もうあまり気にしないことにしたが。


ついでに、僕が感じる「NHKスペイン語会話」3つの疑問。

・SilviaはMayaと出会ったばかりのころ、サルサバーだかどこだかでMayaに
「どうしてあなたはスペイン語が喋れるの?」
と尋ねたときに、
「私は15才までアルゼンチンに住んでいたの。」
とMayaが答えたというのに、その直後に
「ラテンの世界へようこそ!」
と、さとすようにMayaに語りかけた。
(念のために言っておくが、日本での話だ)

「15までアルゼンチンに住んでいたヤツに、ずいぶん失礼なことを言うなあ。」
と思って見ていたが、その後SilviaとMayaは仲良しになった。

・シーラちゃんは母親がキューバ人だと言うのに、本当にぜんぜんスペイン語が喋れないのか?
"L"の発音なんか聞いていると、どう考えても日本語しか喋れないようには見えない。
サルサを教わっているときのRichardの言ってることなんか、ホントは分かってそうだ。
ていうか、たぶん分かっている。

・シーラちゃんはどうしてあんなに細いんだ?


今日の「アミーゴス・DE・ペルー」は、前回に引き続き、バンケット・オーガナイザーのCristianさん。今日は彼の事務所兼自宅にクライアントを招いて実際にパーティの打ち合わせをするシーンをやっていたのだが。

彼の、家が、すごい。

明らかにペルー上流社会を相手にしている商売、という感じだった。
室内の様子しか出てこなかったが、まず、パソコンがあって、仕事のデータを入力している、電話が鳴るのだが、その音はもう完全に近未来的音、部屋の壁紙の色は明るくて新鮮そうだし、マンションの一室のような雰囲気のその部屋の窓の採光もそれなりによさそうだ。

クライアントが来てベルをならす。Cristianさんは外の様子を確認するわけでもなく、キレイな木のドアを少し開ける。すると、金髪の移民系っぽい品のいいオバサンが静かに立っている。彼女の物腰もそれなりだ。
"Adelante, por favor."(どうぞ、お入り下さい)
ドアをきちんと開けて丁寧にCristianさんが言うと、彼女はゆっくりと入ってくる。

実際にバンケットで撮った写真なんかを見ながら話をすすめているソファのむこうには、気の利いた家具と、安物っぽいが、ギリシャ風の頭像が置いてあるのが見える。


そんな具合なのだ。もう、明らかに相手にしている対象が普通のペルー人じゃない、という感じだった。
ペルーの一般社会、というのはすごく貧しいのだ。一般的なサラリーマンの月収が300ドルあったかな?そんな話を、僕はペルーに居た頃に聞いた。

前回までのシリーズでリマの沿岸地域に住み、昼間は仕事をして夜はダンサーとしてアフロペルーダンスを踊っていたアフリカ系のオズワルドさん、彼がお父さんと一緒に食事をするシーン、近くの子どもが彼のダンスの学校で踊りを習うシーン、
その前のシリーズで香辛料を売っていたおばちゃん(彼女はリマに住んでいたのだっけ?)が自分で香辛料を作っているシーン、子どもの雰囲気、
そういったものと今日のCristianさんの背景は、もうぜんぜん違った。

どこに住んでいるのだろう?サン・イシロドかな?
友達の親戚だった日系2世の方がペンションをやっている、ということで、僕はリマに滞在していたときサン・イシドロにあるお家に泊めてもらっていた。
東京で言えば、世田谷、杉並、ということろだ。在ペルー大使公邸人質事件があったのもこのサン・イシドロだ。
割といい家が多くて、僕が泊まっていた家にも2人の召し使いさんがいた。もちろんすごくちゃんとした家だった。
でも、それともまた違う雰囲気だった。

ミラ・フローレスかな?とも思った。そして、たぶんそうだろうと思った。
ミラ・フローレスというのは、リマでもかなりの上流階級層が住んでいるところで、それは要するにフランシスコ・ピサロの昔からこの地域の名士だったような家柄、早い話が入植者層のエリートのいるところだ。

ペルーは基本的にインディオの国なのだ。おなじラテン・アメリカ、同じスペイン語圏でも、国、地域でどんな血の人間がいるかはぜんぜん変わってしまうが、その中でペルーはインディオの国、そして、またその中でまたリマのミラ・フローレスは入植者層がより集まる、また特殊な地域なのだ。
この地域に来ると、どういうわけかインディオっぽい顔がグッと見られなくなる。いるのはメスチソばっかりだ。サン・イシドロでもそんなに極端ではない。
彼らを相手にする商売をしようとして彼らを自宅兼オフィスに呼ぼうと思ったら、そういう地域に住むよりないだろう、と僕は思った。彼の家がマンション風だったのも、きっとそのせいだろう。
そのCristianさんも、やっぱり明らかにインディオじゃない。欧州移民の血を強く受けた顔立ちだった。

コーナーの終わりで、Isabel Loliが
「この商売は顧客確保が大変なんです。」
というようなコメントを発していた。Cristianさんにとってもそうなのかまでは、僕にはちょっと分からない。

その話は、15〜25人のパーティをひとり25ソルで、ということで落ち着いた。
いくらぐらいだったかな?ソルの換算レートは忘れたが、そんなに高い金額、という印象ではなかったな。


また違うペルーの人の姿が見れる。
そしてそれは、僕がペルーで見逃していたペルーの人の姿だ。
そう思うと、僕はなんだかわくわくした。

このコーナーは本当におもしろい。来週も絶対に見逃せない。

01/06/06


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