自治領での事件
テレビをつけたのは6:40になる数分前で、そのときとりあえず僕はNHK総合にチャンネルをあわせてみた。
この時間は「おはよう!日本」の中でスポーツの話題をとりあげている場合が多い。
テレビででてきた話題というのは、プエルト・リコでのボクシングのタイトルマッチ前の話だった。
米国人チャンピオンのホプキンスが、試合前の会見でプエルト・リコの国旗を投げ捨て、それで会見場はエライ騒ぎになったというのだ。そのチャンピオンはプエルト・リコ人に襲われる中をなんとか逃げ出したらしい。
「国旗を侮辱するというのは、海外では大事件ですからね。」
みたいなアナウンサーのコメントだった。
プエルト・リコではスペイン語が話されるが、さいきん米国自治領になった。通貨はもちろん米ドルだ。
数年前に米国自治領になるかどうか国民投票か何かをして、結局ギリギリのところで否決されたのはコスタ・リカだったっけ?記憶があやしい。
リッキー・マーティンはプエルト・リコ出身で、スペイン語と英語を話す。彼は先に「ラテンの貴公子」として名を知られ、後に英語の歌も歌うようになって世界進出を果たした。
NHK総合で放送していた何だったかの音楽賞の授賞式で、彼が
「プエルト・リコの厳しい現状を世界に知ってもらいたいんだ。」
みたいなことをコメントしたのを覚えている。
やられて当然だと思った。ホプキンスは、よく生きて会見場から出ることができた。
同席していたドン・キングは彼が行動を起こしたとき
「しょうがないなぁ。」
みたいな笑みを浮かべていたが、内心心臓が凍りついていたに違いない。
何かのはずみで、彼自身も暴動の標的にされてしまったとしても不思議ではない。
ホプキンスが旗を投げ捨てたときの彼の英語での会見の内容は、当然僕には聞き取れなかった。
なぜホプキンスが挑戦者でなくプエルト・リコの国旗を標的にしたのか考えてみた。
自治領のプエルト・リコでなかったら。例えばメキシコだったら。
日本で同じ事件があった場合、どうなるだろうかと考えてみた。
日本でも、場所によっていろいろ反応が違うかもしれないと思った。
そのときにその行動に出るのがホプキンスでなかったら。
たとえば、マイク・タイソンだったら。たとえば、フランチェスコ・トッティだったら。
01/07/13
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