スペイン内戦

スペイン内戦


スキットの内容は、先週と同じ。
先週指摘しなかった or 気がつかなかったところを何点か。

Sergioのスペイン語は、非常にゆっくりで丁寧だ。
あそこまでゆっくりしゃべらないでも、Mayaには分かるはずだ。

Maya「私、ひとりでキューバに行けるかしら?」
Sergio「そう思うよ。君はスペイン語がとても上手だし。」
何度も言うが、Mayaは15までアルゼンチンにいたのだ。言葉の心配なんて、する必要がない。
だいたい、君らいつもスペイン語でしゃべってるだろう。
それを忘れられてしまったかのようなSergioの発言だが、Mayaもいったい、何が不安でがそんな話題を振ったのだろう。ちょっとキューバに旅行に行くだけじゃないか。アルゼンチンより、ぜんぜん近いぞ。永住するというわけでもないのだし。

Mayaがキューバに行く、ということで盛り上がったときの日本人の女の子のセリフは、
"Me alegro mucho."だ。
ここでいちいちスペイン語の用法の話まではしないが、他にもいろいろ言い方もあるところなのに、わざわざこういう言い方をしている。
彼女の言っていることの直訳は、
「私にとってとても喜ばしいことだわ。」
Mayaの旅立ちを祝福する、という雰囲気の表現ではない。
そんな彼女の気持ちにも気がつかないとは。Silviaもそうだが、なんだか僕は、Mayaが夫だったスペイン人歌手に逃げられてしまったのも分かる気がする。
それにしても、日本人の彼女は、どうしてそれでもこのメンバーにいるのだ?
サルサを踊る仲間は、他にいないのか?なんだか、見ていると彼女はいつもつまらなそうな顔をしているが。


カルチャーコーナーでは、スペイン映画「蝶の舌」というのが紹介された。
スペイン内戦をバックグランドに、病弱な子どもと引退する教師の交流を描く、とかそういう話のようだ。
いろいろ賞を取った話題作らしい。奇麗な映像で、いろいろと魅力的だった。

先生が複数の子どもに対して教室で"Ustedes"(敬称2人称複数形)を使っていて話をしているのでフンフン、と思っていたら、教室外の舞台でその主人公(かな?)の病弱な少年がちょっと不安そうな面持ちで彼に話しかけてきたときにも、彼は少年にやさしく話しかけるとき"Usted"(敬称2人称単数形)を使っていた。
おそらくあたりまえのことなのだろうが、僕としては発見だった。8才まで病気で学校に来れなかったという彼を、子ども扱いするより先に、対等な人として見ている。

その先生は、やがてスペイン内戦の弾圧で捕らえられてしまう。

映画の紹介が終わったときの、ジン・タイラのつらそうな表情が印象に残った。
スペイン内戦は1,936年。太平洋戦争で日本に原子爆弾が落とされたよりも前の話だ。
「家族や親戚が戦うなんて。」
みたいなことを言ったあと、やりきれないといった表情で、ジンが
"Es algo muy muy triste."(それは、とてもとても悲しいことだ)
とスペイン語で言った。
そのとき彼の頭の中に何があったのかまでは分からなかったが。
スペイン内戦の傷、というのは今日本に住んでいる日本人ハーフの彼にもやはり残っているのだろうか、なんてことを思った。


その他、今日の会話練習では、シーラちゃんが横浜に住んでいる、という情報が偶然明らかになり、僕はかなりうれしかった。
当面の心配ではないが、ひょっとすると横浜のどこかを歩いていたら、偶然シーラちゃんに出会うかもしれない。
(当面の心配としてなら、『もしもシーラちゃんが僕のお見舞いに来てくれたら』とか悩んだほうがよほど現実的だ)

・・・まんざら冗談でもないつもりで書いてるのだが。
このあいだ、スペイン語サークルの女の子から、

「先週ブラジリアンレストランでアシェー踊っていたら、スペイン語会話のリカルドさんに遭遇したの。」

というメールを受け取ったのだ。リカルドさん、というのは「おしゃべり・DE・アミーゴス」のレギュラーで、月イチ企画のサルサ教室の先生もやっている彼である。
今日の彼は、くしゃみをする役だった。

「全身黒ずくめ、足がすごく長くて、おっとこまえだったよ。」
と、彼女からのメールにはあった。テレビで見ていても、彼はよく絞れた体をしていて、動きもカッコいい。いいなあ。

リカルドさんにバッタリ会えるぐらいなら、シーラちゃんにばったりあっても不思議ではない。

01/06/20


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