表千家トラブル・シューティング
昼ゴハンが来たのは11:50ぐらいだった。
今日のメニューは、グリンピースとたまねぎのオムレツ風、きゃべつの千切り、中濃いソース。焼き肉何切れか。なすの煮もの。ごはん。おやつはミカン、パイナップル、黄桃のフルーツポンチと黄桃、白桃、さくらんぼのゼリーの乗ったゼリーだった。
昼12:00からNHK教育テレビで「茶の湯」の再放送をやっているのは知っていたが、先に昼食を済ませた。すでに先週の夜9:35からの初回放送を見ていたからそんなに全部集中して見よう、という気もなかった。食事を終えてテレビをつけたのは、12:08ごろだった。
今日は「薄茶」ということで、茶室(かな?まだ用語がよく分からない)に入って薄茶を頂戴して、おかしをどうのこうの、というところまでが解説された。
やはり気分に余裕があるし、昼間だ、というのもある。
今日はいろんなことが気になった。
・正座しているときに足がシビれたら?
・誤って畳のヘリを踏んでしまったら?
・懐紙を忘れてしまったら?
・茶碗の中身をこぼしてしまったら?
そういうときにどう配慮するのか、まだ分からない。
なにしろ、全世界で行われる茶会の数は知れない。しかも、全部人間の技だ。どういうトラブルが発生するとも限らない。あらかじめ考えておく必要はあるだろう。それが配慮だ。
他にも、
・正客がいつまでも茶碗を眺めていて、次客である自分に茶碗を渡さない場合は?
・拝見した掛け軸にボタンやスイッチがついているのを発見したら、押したほうがいいのか?
・動物占いで隣の客との相性が悪かったとしても席を代わらないでいいのか?
・お菓子を頂戴するときにお詰の客の口からエクトプラズムが出ていたらどうすべきなのか?
・亭主がニセ亭主やロボ亭主だったらどうしたらいいのか?
なんていうことも気になった。
「表千家トラブル・シューティング」
とかがあったら、是非とも見たいものだ。
「茶の湯」のあとどうするか、結構悩ましかった。
0:20からの「ひるどき日本列島」のサブタイトルは「瀬戸内のクロハゼ」、「茶の湯」のあと0:25からは「名曲アルバム」だ。どっちも捨て難い。
「ひるどき日本列島」は、0:45で「ちゅらさん」になってしまう。「名曲アルバム」を見たら、「ひるどき日本列島」はクロハゼだというのに、10分しか見れなくなってしまうのだ。
どうしようかと思ったのだが、とりあえず「茶の湯」のエンディングですぐに「ひるどき日本列島」にチャンネルを切り替えた。0:23だったかな?
NHK総合では、ちょうど地元の漁師さんがクロハゼ壷漁をやっているところだった。4-5mぐらいの間隔で長い紐につけられたクロハゼ用の壷を、小型漁船に乗った漁師さんがつぎつぎに引き上げていく。ときどき、クロハゼが入った壷があって、中身をあけるとクロハゼが漁船の中にあるプラスチックの瓶に落ちていった。
アナウンサーとゲストがそのたびに叫んだ。
「高級料亭でしか食べれない、幻の、魚!です!」
アナウンサーが叫んだ。しかし、漁師さんは普通に食べれるらしい。アナウンサーがさかんに漁師さんに話しかける。漁師さんはそれに微笑ましく答えながら、クロハゼ壷をひっぱる作業を続けた。
そうしていたら、漁師さんがしくじって、せっかく壷に入っていたクロハゼを瓶に落とすときに、一匹海に逃がしてしまった。
「ああ!幻の高級魚、が!スイマセン!話しかけちゃって!」
アナウンサーかゲストかどっちかが叫んだ。
そういう見方もできるが、魚にとっては九死に一生だ。まったく幸運、としか言いようがない。
同じように壷に入り、同じように中身をあけられ、それでも助かるものと死んでしまうものが世の中にはいる。
僕には、かつてちょっと思うところがあって漁船に何ヶ月か乗っていたことがあったのだが。
そのときにもいつも思っていたのだが、例えばカタクチイワシの二艘式巻き網漁なんかだともうヘタするとおそらく何万、何十万か分の一の可能性なのだろうが、それでも網のわずかに壊れている部分とか、収穫船が網から魚をまとめて掬ったときの何かのはずみとかで網から逃れて逃げ出せる魚も必ずいるのだ。
その一方で、網に鰓がひっかかって哀れにも首吊り状態で食用にもされずに死んでしまう魚もいる。
(彼らの運命を分けるものは何なのだろう?)
そんなことばかり考えているようでは漁師には向かないということを、後に僕は知った。
まあそんなわけで、0:25になったのでとりあえず教育テレビにチャンネルを合わせてみた。
「名曲アルバム」は、リストの「鐘〜ラ・カンパネラ」だった。
前にどっかの時間でNHK総合でもやっていたので見るのは2回目だったのだが、これはもう、そうであっても「ひるどき日本列島」ではなく、「名曲アルバム」の勝ちであった。
(うーん。本日、1勝1敗)
午前中、NHK総合の「奥の細道」をモーツァルトの40番を片耳で聞きながらなんとなく見ていたのだが、それが終わったときの「名曲アルバム」はカールマンの某某、とかいう曲だった。
そのときは、僕はテレビの電源を落として両耳をモーツァルトにした。
名曲アルバムは、イタリア、コモ湖でのリストの数ヶ月の滞在を中心にした構成で、美しい映像とリストの音楽が流れていった。
北イタリアは、僕はトリノぐらいしか行っていない。前の旅行の最後のほうのどこかで行こうと思えばコモ湖に行くこともできたはずだが、場所的に、時間のない状態では気が向かないところだった。
名曲アルバムが終わって、すぐにNHK総合にチャンネルを戻した。
クロハゼはかわいかった。ああ。あれが食べられてしまうとは。
「高級料亭でしか味わえない味を、漁師さんが!直々に料理します!」
そんなようなことをアナウンサーが言った。ウマい魚をいちばんたくさん食ってるのは、漁師だ。
生放送の都合上、アナウンサー、ゲスト、スタッフをボロボロにするほどの高速で小型漁船は港に戻り、漁師さんとその奥さん他の手により、クロハゼのあらい、あぶり、味噌汁といった料理が次々に出された。みんなおいしそうにしていた。
番組の最後には、テーマソングが流れる。
僕は、今年度に入ってはじめてこの番組のテーマソングを聴いた。
(最近聴いた中では、前の前のテーマソングがいちばんよかったかな)
そう僕は思った。
01/06/26
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