「軽い風邪、ですね。」
「そうですか。」
「まあ、どっちでもよさそうですが...。おじいちゃんも、お年もお年ですし、いちおう何日か、ウチのほうで様子を見ましょうか。いちおう、点滴でも打っておきましょう。」
「ありがとうございます、先生。やっぱり、病院のほうが安心です。」
「そうでしょう、そうでしょう。とりあえず、ウチの病院で何日かゆっくり寝てればだいじょうぶかと思いますよ...。あ、看護婦さん、入院の手続き書類持ってきて、だいたいの流れを説明してあげてくれる?」
「...とりあえず、検査のために注射は2本刺しますね。静脈血と、動脈血。動脈は腕の奥にあるんで、針を縦に刺します。これは痛いです...。それから、血圧を測ります。あと、体重、身長、座高、と...。立ったり座ったりするけど、だいじょうぶ、すぐですよ...。それが終わったら、このコップをもってってください。検尿しますんで。トイレは、突きあたりを右に行って、そこから3つ目を左に行ったところから3つ目を右。検体は、外に出てすぐのところに出してくださいね...。えーと、それから、これは入院の案内冊子受け取って目を通したら。控えのほうに3箇所ハンコを押してくださいね。それから、入院申込書、入院同意書、万が一の場合のための手術同意書。医療情報共有カード。本人の意識がはっきりしている場合は、ウチの病院は原則として入院同意書には自署してもらってるんですよ。あ、そうそう、この入院料金一覧表も、見たらハンコを押してくださいね...。それから、入院後ですが、点滴を打つ前に、まずアレルギー検査をします。万が一、何かあったらタイヘンですからね...。それで、3日の間で、だいたい予定は500mlパックを8本ぐらいかな...。それから、入院中、検査があります。なに、たいしたものではないですよ。地下2階の放射線科で胸部レントゲン、本館3階の呼吸器内科で呼吸器の検査、別館2階の心臓内科で心臓の検査、本館7階の耳鼻科の検査、ああ、白内障も検査しておきましょう、お年ですから。これは本館4階奥です。えーと、それと、直腸検診でしょ、脳神経内科、小児科、麻酔科の検査があります。それから、消火器内科、腎臓内科。産婦人科は、さすがにいいですか?先生...。ああ、念のためにやりますか。これらは他の検査の間にやりましょう...。入院時に、健康保険証等が必要になります。それから、差額室料の場合はあらかじめ入院保証金をいただきます。これは予定入院日数にかかわらず一定です。1階の入院受付にお預けください。貴重品なんかも部屋にはおかず、すべてこちらの受付におあずけください...。それから、入院の際に必要になる日用品をそろえてくださいね。寝巻き、バスタオル、湯のみ茶碗、下着、スリッパ、筆記用具、タオル、テッシュペーパー、箸、スプーン、ガウン等、石鹸、シャンプー、歯ブラシ、歯磨き粉、コップ、義歯入れの容器、髭剃り。今飲んでいる薬もかならず持ってきてください。持ち物には、必ず全部名前を書いてください...。電気機器は、一切使用禁止です。持ち込みはご遠慮ください。備え付け以外の冷蔵庫の使用はご遠慮くださいテレビも備え付けのもの以外は使用できません。これは月額固定料金+従量制です。従量部分は、1階売店内にあるプリペイドカード販売機でカードをお買い上げください。テレビを見る際はイヤホーンが必要なので、これもご用意ください...。就寝時間は夜9時厳守、起床は6時。食事の時間は8:00、12:00、18:00。これらは絶対に厳守してください...。明日は教授回診があります。昼すぎです。あさってはシーツ交換。午後2時ごろから、ほんの1時間ほどですが、ベッドから出ていただきます。えーと、それから、これはもしよろしければ、ですが、ちょうど今、看護学校の実習生が来ている時期なんで、彼らの経験のために、看護実習のときにですね、...。
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