磨きたてのエメラルドのような朝
ちょっとした退屈に息切れした少女は
初夏の日射しのあざやかな賑わいに惑わされ
ひとり渚の波音を駆け抜けて
その入り江に激しい飛沫を浴びにゆくのだ

ドルフィンの鳴き声のようにきらびやかな朝
岬の絶端の崖っぷちで
オロンゴの鳥人がはっきりと動いた
そんな入り江に跳ねてはじける
激しく砕ける波打ち際の
なかのおくのまっくらのひんやりとした日射し

誰かの気配にはっとするのだ
入り江のおくのほこらのおくの
はるかの海のそのまたむこうの
やわらかい潮のような朝

岩礁で屈折し飛沫を浴びる矢のような光
小さな世界を満たす明るい紫外線
とおく彼の日のように風は流れ
その朝の目覚めを感じて少女は笑った


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