トヨタカップ ボカジュニオールズ-バイエルン・ミュンヘン

トヨタカップ ボカジュニオールズ-バイエルン・ミュンヘン


主審:ニールセンさん(デンマーク)
コンフェデ杯日本-ブラジル戦の主審。
長い試合だったが、全体によくコントロールできていたと思う。
あまり動いてない印象は今回もそうだったが、要所要所に登場していた。セットプレーでのボールの位置、スローインの位置の指示にうるさく、警告も多い試合だったが、まるで荒れなかったあたり、なんだかサスガであった。この試合では、競技者との細かいコミュニケーションがよく目にとまった。
位置取りも今回はよかった印象で。彼の場合、身長が非常に高いので、若干遠い位置での判定でも競技者から文句が出ないのはそのメリットなのではないか、という気もしないでもない。
試合をとおして毅然とした表情でいるところもそれに貢献しているのだろう。

A1:イエプセンさん(デンマーク)
よく走っていた印象。好印象。

A2:ニルソンさん(スゥエーデン
キビキビしていた。好印象。

4thオフィシャルは日本の岡田さんであった。


1分
A1、手前側タッチラインを出たボールについてスローインの合図。ボールが出るまでA1は平走しているが、そのとき旗を持った左手は肘から下をさげたまま。両腕を振ったほうが走りやすいが、そうすると旗がちらちら動くので普通はやらない。

1分
A2。ボールが出た時点ではA1は走っていたが、旗で方向を指すときはいちど立ち止まって、体の位置を固定して旗で方向をさしてからディフェンスラインに走って戻る。

ピリッとしていてどちらも好印象。

2分
R、スローインの位置を正しくするように競技者に指示。コンフェデでも同様のシーンが見られたが、この試合では特に位置にうるさかった印象。

3分
A1の側でバイエルンの競技者が倒される。

3分
ボカ5(セレナ)番競技者にバイエルン8番がファウル。ちょっと険悪なムード。

3分
ボカ5番の競技者、バイエルンの14番をうしろからひっぱって倒す。警告。反スポーツ的行為。

7分
センターライン付近手前側。ボカ10番、リケルメがボールを奪い走り出す。主審の位置はラインよりボカ側、サークル付近。ファウルはないと軽く合図。適切な位置で適切なタイミングで合図を出した。

9分
ほぼ同様のポジションでリケルメが倒される。主審の位置もほぼ同じ。主審の位置は適切であった。

10分
A2、オフサイドの合図

11分
A1、オフサイドの合図。
このシーン、最初のピサロのシュートの時点で外側の競技者がすでにオフサイド。
その競技者がオフサイドラインよりも戻ってシュートのこぼれ球を取ったが、シュートの時点でオフサイドポジションにいたことで利益を得たので、オフサイドが適用される。
いわゆる戻りオフサイド。
A1はその最初の時点で旗を揚げ主審の合図を待っていた。主審のオフサイドの宣言はいくぶん遅れたが、主審、A1ともに正しい対処であった。
基本的なことだが、主審からすぐ反応が来なかったからと言って、アシスタントレフリーは勝手に旗を下ろしたりしてはいけない。ラインが動いても、その場で位置を固定して主審の合図を待つ。

12分
中央でプッシングの反則。主審はいい位置であった。

14分
センターサークル付近でリケルメつぶされるがおとがめなし。主審はいい位置。特に合図なし。

17分
ボカ、競技者の交代。4番マルティネスの負傷に対し、主審は担架とメディコ(チームの医療スタッフ)がピッチに入ることを許可。彼らが入る。
競技者の交代では、まず交代して競技者でなくなるほうがピッチを出て、それから交代要員がピッチに入って競技者となる。
A1と4thオフィシャルが交代要員がピッチに入るのをハーフウェーライン付近で静止している。
4thオフィシャルの職務として競技規則に明記されているが、A1が交代のときにかかわるかどうかは、試合前の事前の打ち合わせで決められることで、必ずそうする、というわけではない。

19分
ボカ11番デルガド、オフサイドの違反。その後ボールを相手ゴール方向に蹴り、警告を受ける。遅延行為。

20分
センターサークル付近でリケルメ倒されるが、主審は続行を軽く合図。おそらく、ノーファール。

22分
こんどはバイエルンの競技者が倒されるが、主審は適切な位置で見ていた。ノーファール。
位置がいいので、文句の出ようがない。

24分
手前からのロングスローのあとのプレー。ここでもノーファールで続行の合図。

25分
ハイボールの競り合い。バイエルン競技者は飛ぶがボカの競技者は立っていた。
ここでも軽く合図。主審の位置も近くてよかった。

27分
バイエルン、クフォー警告。反スポーツ的行為。

28分
ボカ7番、だったかな?へのスルーパスにオリバー・カーンがエリア外に飛び出しスライディングタックル。ボールは横へ。
足の裏を見せて両足で突っ込んでいる。僕ならファウルを取りたいところだ(というか、ファウルでしょ)。

30分
リケルメからデルガドへ、だったかな?ライン裏への決定的パス。デルガドはゴール右にはずす。
Rは予期しないボールの奪われ方だったが、その後ゴール方向に走っていき、よくついていった。

31分
バイエルン8番競技者が中央付近をドリブル。ドリブル中何度か左を向いてパスコースを探したが、左へパスを出すことは選択しなかった。
平走していたRの位置が邪魔でパスを出せなかったと思われる。やや遺憾。

33分
バイエルン、パウロ・セルジオ、オブストラクションの反則を受ける。間接フリーキック。
このフリーキックに対して、Rはゴールから見て右側からのFKに対し、ディフェンスラインぐらいまで下がって左にライン、右にキッカー、という位置取りをした。
やや珍しい例。

35分
プレー続行の合図。主審の位置は適切。

39分
フリーキック。このときも、ゴールから見て右からの再開に対し、先ほどと同様の位置取りをしている。

43分
ボカ9番ギゼルモ、バイエルン競技者と相手左コーナー付近でボールを奪い合う。
ビデオで見るとギゼルモが押して倒しているが、そのあとのもみあいでバイエルン競技者に警告が出た。
このプレーでは主審の位置は遠かった。13ydは離れていたと思う。

ロスタイム1分
デルガド退場。反スポーツ的行為。2回目の警告。オリバー・カーンとはまるで接触していない。
Rは位置的には遠かったが、よく見ていた。

ロスタイム3分
バイエルンの攻撃。主審はアドバンテージを合図したが、実現しなかったのでポイントを戻してフリーキックで再開した。


51分
ボカの競技者、両足の裏を見せてのタックル。Rの位置は13ydぐらい。

53分
ボカゴール前。Rはアドバンテージを採用。

55分
バイエルンゴール前フリーキック。やはりゴールから見て右から。
このときRはゴールラインまで来てプレーを見ている。

特に得点の可能性の高いフリーキックでは、R,Aのどちらかがあらかじめゴールライン上に位置して微妙な得点の判定に備えることがある。
その場合、残ったどちらからラインを見る。

56分-57分
リケルメ倒され、担架が呼ばれる。担架に乗ったリケルメはピッチの外に出て、すぐにピッチに入りたい、と合図。主審はすぐに許可しなかった。
一度ピッチの外に出た競技者はセンターライン上から主審の許可を得て復帰する。
主審がすぐに許可しなかったのは、そのときその付近でのプレーが続いていて、すぐに復帰させると数的バランスが崩れると見たからだと考えられる。

59分
バイエルン、コバチ倒される。
このときも、負傷して退場したコバチはゴールライン方向からピッチを退いて、ハーフライン付近まで戻ってから主審の許可を得て再度ピッチに入っている。

61分
A1、旗でRに反則の合図。

63分
A1、オフサイド、だったかな?の合図。両足をやや開いてラインに揃えての動作。きりっとしている。
直後のスローインの合図でも同様であった。

64分
リケルメ、大げさに悶絶。
ビデオで見ると、たしかに踏まれているが。なかなかピッチを出ない。時間稼ぎですな。

68分
ボカのロドリゲス、反スポーツ的行為で警を受ける。

70分
A1オフサイドの合図。すぐ側のボカベンチ騒然。4thオフィシャルが静止に入る。
ベンチコントロールは4thオフィシャルの職務。
その前に多少騒然となったときも、4thオフィシャルは静止に入っていた。

71分
バイエルン23番、バーグリーブス?がリケルメに反則。反スポーツ的行為で警告される。

74分
バイエルン、ピサロが両足でタックル。ボールはタッチラインを割り、ボカのフリーキックで再開(したはず。ちょっと自信がない)。
ピサロの反則を取った(はず。ちょっと自信がない。記憶があいまい)。

76分
ボカ7番競技者がタッチラインからでかかったボールを手で扱ったように見えたが。
RはA2に確認。A2からの合図を見て、スローインを指示した。

77分
A1の側でパウロ・セルジオ倒されるが、A1から合図はなし。Rもボカのスローインを指示。

78分
ボカゴール前、ゴールから見て左からのフリーキック。
このときはRは右からのキックのときと違い、エリア手前のポジショニング。普通のポジショニングだ。
パウロ・セルジオだったかな?がヘディングでシュート。ボールはゴール左に逸れた。主審はエリアをちょい出た位置にいたが、すぐにゴールキックを合図。競り合ったヘディングからの微妙な判定に対するすばやい対応だった。

79分
ヤンカー、相手エリア内でプッシングの反則。

82分
ボカ7番ギゼルモ、警告される。理由は忘れた。

83分
バイエルンフリーキック。早いリスタートでエリアに出たボールをピサロだったかな?が受けてシュート。コルドバのいい飛び出しで得点には至らなかった。
Rはあわてずに対処した。

85分
エウベル、エリア内でファウル。
足の裏を見せての危険なプレーかと思ったが。
そのあとRは手をあげなかったので、違うらしい。どういうファールだったか分からない。

89分
リケルメ、相手陣向こう側ライン付近で競り合いながらドリブル。Rは終始いい位置でよくついていき、最後はファウルはないよ、と軽く合図。

ロスタイム1分
ボカ7番相手エリアで倒れるが、何事もなし。

ロスタイム3分
リケルメ、相手ゴールから見て右側からフリーキック。
Rはやはりゴールライン上に。


98分
R,担架を要請。

99分
バイエルン競技者のスローイン。向こう側ラインから。
片足が浮いていたような気がした。反スロでは?

102分
エリア内でバイエルンの競技者が倒される。Rの位置はエリアのちょい外手前。何事もなし。

104分
ボカのメディコ、Rの再三の静止にもかかわらず、向こう側ラインの外に負傷したボカの競技者が出たタイミングでピッチを横切っていく。
主審はここでメモを取っている。
警告、退場の処置を取れる対象は競技者、交代要員、チーム役員。メディコは通常は役員とはみなされない。
主審がここでメモを取っているのは試合後に関係機関に出す審判報告書の「重要事項の記載」欄にこういうことがあった、と記載するため。
このメディコは、次のどこかの試合でベンチ入りできない等、何らかの形で制裁を受けるかもしれない。

105分
エウベル、相手ゴール前で手をつかう。反スポーツ的行為で警告される。

延長1分
テレビに映らなかったが、コルドバ、ゴールキック時に遅延行為で警告される(テレビは警告があった旨映像で分かるようにしてほしいすね)。

107分
Rにボールがあたる。

109分
バイエルン得点。
エウベルがゴール前で高く足を上げて大きく空振り。ボカの競技者と交錯している。
ボールの側であったが。これを反則ととるかどうか。微妙なところだ。

110分
ボカ6番競技者、反スポーツ的行為。

112分
オブストラクションかと思われるシーンがあったが、主審は続行を合図。その位置はプレーの手前およそ12yd。

127分
A1、ボールが出たことをはっきり合図してから、走ってセンターラインまで行き、競技者の交代に対処。

128分
Rがスローインのやりなおしを指示したのは、交代のあとプレーの再開を合図する前にボールが投げられたから。
→A1がまだポジションに戻っていなかった。A1がポジションを戻ってからプレーを再開する意図であったと思われる。


79分にヤンカーとニールセンさんが並ぶシーンがあるのだが。
193cmと長身のヤンカーより、さらにニールセンさんのほうが背が高いことが分かる。

この試合は副音声でアルゼンチンのラジオ局の音声が聞けた。
当然そっちを聞いたので、今回はアナウンサー、レポーター、日本人解説者、ゲスト他への評価はナシ。

ちなみにこの放送、かなり笑えた。
アナウンサーと、解説者風の2人構成なのだが。
ラジオ中継なのでアナウンサーが延々と喋っているのは当然なのだが。
解説者がときおりぼそっと何かを言う。
まるでブランチ前と深夜のようなとりあわせであった。

なにしろ外国語だし、まだ一度しか聴いてないのであんまりコメントできないのだが。

前半、退場のシーン。
「お〜、なんということだ〜。これは超キケンだ〜〜〜。。。」
しかし、明らかにダイビングだったので猛烈な主張は聞かれなかった。

後半ロスタイム3分
リケルメ、相手ゴールから見て右側からフリーキック。
canal3:「オー、リケルメ、奇跡のフィナーレを起こしてくれ〜」

延長1分。
アルゼンチンのスペイン語放送でも、「倒れてるけど、ファウルじゃないね。」とあっさりしていた。

105分
エウベル、相手ゴール前で手をつかう。反スポーツ的行為で警告される。
canal3:「エウベル、モレスタード、コン・ラ・マーノ〜!」(エウベルが手をつかって悪さをしようとした、というところだが、音がなんとも言えない)

その他、得点シーンのリプレーではエウベルの反則を、やや悲しそうにさかんに主張していた。


さらにちなみに、この試合ではアナウンサーがコルドバをベタ誉めで。
あんまりおもしろいから試合の中盤から、可能なかぎりメモを取っておいた。

コルドバ、コルドバコルドバ、ムチシマスインプレサ〜(コルドバ、限りなく印象的だ〜!)
アキー、エスタ、コルドバ、セグリシモ〜(ここにはコルドバがいた!超安全〜!)
コルドバ、コルドバ、コルドバ、トーダ・ラノーチェ、ナントカカントカ〜(コルドバ、今夜を通して大活躍〜)
コルドバアルケロ・コロンビアーノ〜、ノタブレー(コロンビア人ゴールキーパーコルドバ、傑出しているぞ〜)
コルドバコルドバコルドバ、アルケロコロンビアーノ〜、フィグラメンテ・プレシオサ〜(コロンビアのキーパーコルドバ、とにかくメチャクチャスゴイぞ〜)
ペロエス、レガロペルソナル、ア、コルドバ〜(でもこのボールはコルドバが何なく処置した〜)
コルドバ、シエンプレ、ミエンダ〜(???これは、何だろう?よく分からない)
コンプロメティーダ、コルドバ、コルドバコルドバ、シエンプレ〜(いつもコルドバがいるから確実だ〜)
コルドバ、コルドバ、コルドバ、シエンプレ、エス、ウルティマ、インスタンシア〜(最後にいるのはいつもコルドバだ〜!)

...訳にはかなり厳密性が欠けているので、ご容赦。

やっぱ、サッカー中継はスペイン語だね、と思った今日この頃であった。
本当は一度見たらもうハードディスクから消してしまおうと思っていた試合なのだが。
スペイン語の教材としても非常に面白いから、編集してしばらく保存しておくことにした。

他にも書き出せなかったメチャクチャおもしろいところがたくさんあったんで。
それらについては、そのうちまたどこかで追加でいろいろ書きます。

01/12/01


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