親善試合 日本-ウクライナ

親善試合 日本-ウクライナ


R,A1,A2は韓国のセット、4thオフィシャルは日本の片山さんであった。

主審:
全試合を通じて安定した判定であった。
運動量的にも試合の水準にみあったものだったが、よく動く時間帯がある一方で、試合が膠着すると自分の足も止まってしまうというキライもあったのが問題といえば問題。よく動いているときは動いているときで、これから競技者が向こうとするほうを横切ってしまう等の動きもあった。
まあしかし、判定基準が試合を通して一定していたし、十分合格点。

副審A1:
しっかりやっていた。好印象。

副審A2:
あまり出てこなかった。採点ナシ。


17:20ごろ(試合開始40分ぐらい前)からR,A1,A2がハーフライン上でアップ。内容はジョグに簡単なアレンジを加えたもの。
試合開始前のゴールネットの確認はされたが、ハーフタイム後はされなかった。普通。

前半キックオフ
主審の位置はボールの左後ろ。
この位置にポジションすることには整合性がある。
ボールを持っている側が前にいけるとまあ普通予想できるが、そのときに相手陣の副審とボールを挟む位置で見るポジションにつきやすい。

1分。
日本競技者からウクライナにオフサイドの違反があったというアピールがあったが、A2からは何もなし。
→オフサイドはなかったと合図するために旗を持っていないほうの手を前方に出す等のシークレットサインが使われることもある。まあどっちでもよい。

2分。
日本がウクライナゴール前でセットプレイ。
Rはこのとき、壁を下げてから自分はゴールライン付近にいって競技の再開を促している。A1がウクライナのラインを監視。
ゴール前のセットプレイでは、ゴールの判定を気にするならA1にゴールラインにつかせ、自分はラインを見る、という方法もある。どちらがいい、というものでもない。
もちろん、ゴールラインに審判が入らない方法もある。
このセットプレイに続きウクライナがボールを前に出す。Rはまず縦に走り、そこからボールにあわせて次第に左に寄っていく。よく走っている印象であった。

3分。
足を上げての危険なプレイかと感じたが、主審は手を上げなかった。直接フリーキック。プッシングであろうか?

8分。
右からアレックス突破を図るも、ボールはゴールラインを割る。
主審はこの動きによくついていっている。最後の合図はエリアに入ってから。好印象。

9分。
ウクライナ競技者が倒れ、ボールが出される。ウクライナのメディコがハーフライン付近から入ろうとするが、A1が静止。
4thオフィシャルがいっしょに静止する場合もある。試合前の打ち合わせ事項。
今回は4thが日本、R,A1,A2が韓国セットなので、コミュニケーションに関してはセットの中で基本的に構築というということだったのだろうか。

13分。
日本エリア付近でのプレーに対し、ウクライナが反則をとられたかというシーンがあったが、Rはエリア角の地点でよく見ていた。

13分。
ウクライナが自陣エリア付近左側で反則。直接フリーキックとなる。
Rは違反のあった地点より中側10ydよりやや遠い地点にいたが、まず笛を吹き、ゴール方向を手で指しながら走ってポジションに入っている。好印象。
このFKでも、主審のポジションはゴールライン。

18分。
Rはハンドをとらない趣旨の合図。
第12条 反則と不正行為
・ボールを意図的に手で扱う(自分のペナルティーエリア内でゴールキーパーが行ったものは除く)
意図的でなければハンドの違反ではない。

19分。
ウクライナコーナーキック。
プレーの再開前に別のボールがフィールドに入り、Rは笛で注意を促してボールを出させる。

21分。
ウクライナスローイン(だったかな?)。日本側競技者がウクライナ競技者をつかんでいた。ボールが日本ボールのスローインになった。
Rからはおとがめなし。

22分。
ウクライナGKがエリアでフリーでボールをキープ。ドリブルでエリア外にボールを出し、大きく蹴りだす。
A1はボールの高さを移動していく。ペナルティーエリアの境界線付近でのハンドの違反を気にしたのだろうが、ドフリーだしそこまでしなくてもよいのではないかと感じた。ラインに戻るのが遅れるほうがより問題だろうと思う。実際に遅れなかったので問題ないのだが。

23分。
アドバンテージの合図は片手を横にあげてのもの。
手を上げた方向が反則をうけた日本側競技者が攻める方向と逆だったので、ちょっと分かりにくかった。

24分。
日本得点。
A1は相手陣でよろこんでいる日本競技者に戻るように促す。得点の記録はR,A1がつけているのは確認できた。A2はおそらくつけていない。
全審判がBOOKINGをしてしまうと、BOOKING中に周囲を監視する者がいなくなってしまう。たいてい、A1とA2のどちらかはBOOKINGをしない。どちらがBOOKINGをするのがいいのかは難しいところだ。

25分。
アレックスのシュートはおおきく外れる。
A1はゴールライン付近まできてからゴールキックの合図。基本の動き。

26分。
ウクライナ競技者警告される。主審の判定への異議。

28分。
ハーフラインメインスタンド側で反則。Rはセンターサークル。遠い。

32分。
宮本警告。反スポーツ的行為。
このプレーでRは宮本を追いかけていって、振り向かせてすぐ警告。よく動いている。もちろん、自分は止まって呼び出して警告してもよい。

36分。
ウクライナのアドバンテージを合図。

前半終了直後。
アレックスタックルをうけうずくまる。
ハーフタイムの合図の笛を吹いた直後なので、これはインプレー中の行為ではない。ハーフタイム中でも主審の権限は続くので、たとえばもしこれが警告に値するものだったら「反スポーツ的行為」でイエローカードを出せる。退場に値する行為なら「乱暴な行為」。その場合「著しく不正なプレー」にはならないことに注意。「著しく不正なプレー」はインプレー中でなければありえない。

47分。
A1がオフサイドの合図。主審はそれを採用しないと合図。A1は旗を降ろし、ラインの監視に戻る。
第11条 オフサイド
オフサイドポジション
オフサイドポジションにいること自体は違反ではない。
第5条 主審
主審の権威
それぞれの試合は主審によってコントロールされる。主審は任命された試合に関して、競技規則を施行する一切の権限を持つ。
A1がオフサイドの違反と見たのは中央にいた競技者、主審はその競技者はプレーに関わらなかったと見た、というところだろうか。副審の合図だけではプレーは止まらない。

48分。
日本にプッシングの反則。
Rはそのあと場所を指示する笛を吹いた。

49分。
ハーフラインメインスタンド側での交錯プレーに対し、Rはそのあとアウトオブプレーになってから中田浩二を警告。反スポーツ的行為。
第5条 主審
・警告または退場となる違反を犯した競技者に懲戒処置をとる。ただちにこの処置をとる必要はないが、次にアウトオブプレーになったときに主審はその処置をとらなければならない

55分。
A1はゴールラインを割ったという合図をするためにコーナーアークまでいくが、そこで競技者の交代の合図。

56分。
センターサークル付近で日本がボールを奪ったシーン。ここでRは日本陣側に走り、ボールを持った日本競技者の前を横切っている。
動きすぎ。

57分。
今度はウクライナが日本人に入り、エリア左側でアタック。ここでRはその前を横切り、コーナーアーク方向に走る。
これも動きすぎ。よくない。

59分。
コーナーキックの前のシーン。日本側の競技者交代の準備ができたが、Rは交代を認めない。
交代で大きく時間を消費したくない。正しい態度。アウトオブプレーになったときにすでに入れる状態でなければ、交代で必要以上に時間を食うので僕もそうしていた。
そのあともういちどコーナーキック。A2はラインに残り、正確にボールがゴールラインを割った判定をした。
後のほうのコーナーキックでは、A2がウクライナ側競技者にボールから離れるよう指示しているところが見られる。

77分。
ハーフラインメインスタンド側での反則。ここではRの位置はかなり遠い。15yd以上。
膠着している時間に彼の足が止まっている例だが、このあたりのプレーに対していつも遠い、という印象は持った。

73分。
テレビに映った高原の映像で、唇が切れて出血しているように見えたが、自信はない。
もしもそうなら、外に出して止血させるか。しかし、たいしたことないからそこまでさせないか。場所的に言っても微妙なところ。

85分。
A2側で日本側の競技者が倒され、A2が旗でRに合図。Rが採用しフリーキックとなる。

88分。
鈴木後ろから倒される。
警告はなし。

89分。
テレビから「ロスタイムは2分」という内容の案内。ロスタイムの表示は90分に突入するときになされるものだが、1分早い。理由は不明。

89分。
日本ゴールキックで再開のシーン。
A1は時計をつけた左腕をややあげ、時間についての確認の合図をRとする。

テレビ:
映像はとてもよかった。
欲を言えば、場内で映像が流れたときの観客の声がもっと大きく聞こえるとよかった。

アナウンサー、解説:

7分。
金田氏、アレックスの突破はウクライナ競技者のカバーリングで成功しないも、
「カバーリングさせることで中が薄くなる」
という指摘。数的優位の基本。適切。

10分。
ウクライナ競技者がミドルシュート。かなりいいシュートだったが、楢崎キャッチ。
金田氏、蹴った瞬間、
「おー。ナイスシュート。」
あまりにも適切で笑えた(笑)

14分。
アレックスFKを蹴るも、ボールはゴール右にはずれる。
アナウンサー
「枠に入っていればラクラクゴールでしたね。」
適切だが不適切(笑)

18分。
柳沢がエリア付近でフェイント、エリア入り口のライン付近を中にドリブルし、最後は左足シュート。左上にはずれる。金田氏、
「ストライカーなら枠にいって欲しい。」
ごもっとも。

24分。
日本得点。アナウンサー、
「何人もがからんだ得点でした。」
グッド。

43分。
ウクライナの連続攻撃。アナウンサー、
「ちょっとヒヤッとするシーンがでかかっています。」
すでにヒヤッとしてるってば。どの程度ならヒヤっとするのだ?点を取られてからでは遅いぞ(笑)

45分
バックパスされたボールを楢崎は大きく蹴りだすも、ハーフラインだいぶ手前の市川に渡る。アナウンサー、
「これ(クリア)は小さいが、市川がいました。市川を狙いました。」
うーん。市川を狙ったわけではないだろう。ていうか、市川を狙ったのだとしたら、「これは小さい」とは?

72分。
金田氏、
「中村俊輔のディフェンスするときのポジションがディフェンスとしてはいまいち中途半端で不安。攻撃に切り替えたときのことを考えてのことだろうが、どうか。」という発言。
適切。

この試合は長居陸上競技場で観戦したので、さらに他にいくらか。

警備体制:
座席カテゴリー別にかなり手前から柵で分別されていた。メインゲートでのチェックではビニール袋にあらかじめ携帯電話、サイフを入れるように指示された。金属探知機による検査をスムーズにする工夫であった。
この探知機はかなりの精度。ポケットにコインロッカーの鍵を入れておいたら見事に音がなった。
ペットボトルはキャップのみメインゲートではずされ、中のテントで紙コップに移しかえさせられていた。
スタジアム内で座席に着く前にチケットを再度チェック。ここでは飲料の入れ物もチェックされていた。売店で買った飲み物も、そこで紙コップに移しかえさせられていた。
ペットボトル持ち込み禁止ぐらいは普通。トコトンやるならベルトも没収だが、さてどうだか。
後日新聞報道で話題になった警備体制。座席に着くまでに最大1時間かかり、試合前に着席できなかった観客もいたとか。それはヤケるなぁ。
しかしまあ、あのぐらいの厳重さはやむをえないか。事前に観客にゲート情報などを十分に流して、当日のチェック体制をもっと大げさにすればいけるだろうと思った。
帰り道もユニバーサルスタジオのように柵でうねうねとしていたが、うねうねするのはいいのだがなるべく長い直線を主体にしてほしいと感じた。長居駅への最後が非常にくねくねしていて歩きにくかった。
駅に観客が殺到しないようにわざとそうしていたもかもしれないが。

西澤はこの試合ではユニフォームの襟をたてていなかった。襟がないから当然か。そこをなんとかするのがストライカーだ、という気もしたが(笑)
ダフ屋をまるで見かけなかった。そのかわり、スタジアムでカズ、ラモスを見かけた。
キリンレモン170円、サッポロ1番210円。焼きそば400円。

02/03/21


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